アメリカ軍の撤退と武装勢力タリバンの権力掌握によって、アフガニスタンは大混乱に陥った。
あるアフガニスタンの一家は、アフガニスタンを出国してポーランドへ入国することに成功。新天地での生活をスタートさせたばかりだったが、思いもよらぬ悲劇に見舞われた。
その原因となったのは、避難先で偶然見つけた「キノコ」だった…
アフガン脱出直後の家族を襲った悲劇
父親がイギリス政府と仕事をしていた関係で、一家はイギリス軍の仲介でアフガニスタンのカブールから出国し、ポーランドへ到着。
家族は首都ワルシャワに近い難民センターに身を寄せて、新天地での生活をスタートさせた。
ところが、ポーランドに到着してから数日後、一家は次々に腹痛や吐き気を訴えて病院へ搬送された。
原因は、難民センター近くの森林で偶然見つけたキノコ。
なんと、一家は広くヨーロッパに自生する「タマゴテングタケ」と呼ばれる猛毒のキノコを食べてしまったのだ。
猛毒のタマゴテングタケを食べた5歳の少年が死亡
「猛毒キノコ御三家」に数えられるほど、タマゴテングタケの毒性は強烈。
誤って口にしてしまうと食後24時間で激しい腹痛、下痢、嘔吐に襲われ、数日の内に内蔵の細胞が破壊されてしまい、高確率で死に至る。
そして解毒剤が存在しない。
このタマゴテングタケを口にした一家の中でも、特に症状が悪化したのは5歳と6歳の幼い兄弟。
兄弟はタマゴテングタケの毒が脳に回ってしまい、意識不明の重体。懸命な治療が行われたが、5歳の少年は間もなく死亡。
6歳の兄は毒に侵された肝臓の摘出と移植手術が行われたけれど、症状は改善していない。
17歳の姉は何とか症状が回復して、現在は退院。息子を失ってしまった両親はメンタルケアを受けているとのこと。
難民家族に十分な食料が与えられていなかった?
ポーランドの地元メディアは「難民センターは家族に十分な食事を与えていなかった。そのため、一家は森の中で食料を探していて、タマゴテングタケを食べてしまった」と報じた。
しかし、アフガニスタンからの難民を管理している政府機関は「家族は1日3食受け取っていた」と否定。また「難民の方々には自生しているキノコは食べてはいけない」と警告していたとのこと。
事件の詳細は調査中だけれど、先日ポーランドでは同様の食中毒事件が他にも起きていた。
アフガニスタンからポーランドへ移住したばかりの4人の難民の男性が、自生していた毒キノコを食べて病院へ搬送されていたそうだ…