68歳のテクノ爺さん大人気!若いパリピがリスペクトする理由は?

「東西に分断されていた若者を一つにしたのがテクノだ」

と言われるほど、テクノは日本以上にドイツで愛されてきた。

そんなドイツのベルリンには「テクノ爺さん」と呼ばれる有名人がいる。

現在68歳のベルナハ・エンストさんは、仕事で音楽業界に関わっていたなどのバックボーンはない。

ただただテクノとクラブが好きな一般人。

しかし、かつてドイツの情報誌はエンストさんのことを、このように評した。

「もしテクノが宗教なら教祖はベルンハルトだ」

そんなテクノ爺さんは、どのような人生を歩んできたのか?

テクノレイブに行って人生変わった

ベルンハルト・エンストさんはドイツの都市マインツでキリスト教カトリックを信仰する家庭に生まれ育った。

やがて大工として働き始め、結婚し子供も生まれた。

いたって普通の生活をおくっていたが、50歳になった頃、一人息子が若くして癌で亡くなってしまい、妻との関係も崩壊してしまい離婚。

家族をなくしてしまい傷心のエントテさんは故郷のマインツを離れ、ドイツ最大の都市ベルリンへ移住した。

ある夜、エンストさんは友人に誘われて、大音量でテクノが流れるレイブを初体験した。

青春時代にビートルズやサンタナを愛聴していたエンストさんにとって、初体験のテクノレイブは、すさまじい重低音と眩いフラッシュ、そこで踊りまくる群衆のエネルギーが衝撃的だった。

これをきっかけに、エンストさんはクラブに通い始め、テクノにのめり込んでいく。

現在、68歳で頭髪は薄くなり、真っ白なヒゲを蓄えるエンストさんだが、毎晩のようにクラブへ出かけ、深夜から早朝までダンスとお酒を楽しんでいる。


そんなエンストさんの周りには、その生き方に共感した若者たちが集まってくるのだった…

若いパリピからのリスペクト

最初はクラブにくる若者たちの輪の中に入るのは難しかったそうだが、エンストさんが早朝まで踊っていると、次第に打ち解けていったのだとか。

そして、クラブに紛れ込んだ老人ではなく、仲間としてベルリンのクラバーに受け入れられていった。

現在、エンステさんのFacebookのフォロワーは7000人以上。
携帯にはクラブで出会った人たちの連絡先が1000人以上登録されている。

誰よりもクラブとテクノ愛し、その情熱が若者たちからリスペクトされるテクノ爺さんの元には、パーティへの招待状も続々と届く。

大規模なフェスでは、旅費やホテル代を主催者が負担してまでエンステさんを招待し、ミュージシャンからはPVで踊って欲しいと依頼があるとか。

エンストさんはベルリンの生きる伝説であり、若者からはクールな人生の先輩として慕われている。

が、さすがに年なのでクラブに行きたくても身体がしんどい時もある。

そんな時は、若いパーティ仲間がエンステさんの自宅までやってきて、ストレッチャーに載せたままクラブまで搬送してくれるそうだ。

クラブ活動以外では、若者にドラッグの恐ろしさを啓蒙する社会活動などにも力を入れ、周りのサポートを受けながらDJの技術も学んでいる。

今宵もまた、テクノ爺さんは若者たちが待つクラブへ向かうのだろう。