脂肪溶解注射で半年間入院
N.T.Lさんが注射を打った、お腹や尻の周りが腫れ上がり、激しい痛みに襲われたのだ。
痛みに耐えかねたN.T.Lさんは、病院で医師の診察を受けた。すると、注射した周辺の組織が壊死していたことが発覚。すぐに手術しなければ命の危険もあると告げられた。
それからN.T.Lさんは半年間も入院して、数十回の手術を受けるという悪夢のような期間を過ごした。
注射を打った周辺には皮膚の下に大きな空洞ができてしまい、そこに大量の膿が貯まった。手術によって壊死した組織を全て取り除き、なんとか命の危機は乗り越えたものの、彼女の腹や腰には酷い傷跡が残り、今でも、昔のような生活には戻れていない。
脂肪を溶かす注射を通販で購入したら…
ホーチミンに住む43歳のT.B.V.Nさんの場合は、ネットで痩せ薬を探していたところ、脂肪溶解注射のことを知り、興味を持つようになった。
彼女の見つけたネットショップでは「韓国から輸入した脂肪溶解注射5回分43万ベトナムドン(約2500円)」を誰でも購入することが可能だった。
「販売業者に電話して、病院で医者に注射してもらう必要があるのか質問したんです。すると『注射は無害だから必要ない。スリムになりたいなら自分で注射すればいい』と言われました」
病院へ行くのも怖かったT.B.V.Nさんは、脂肪溶解注射を購入して、知り合いに注射を打ってもらった。
すると、7日後に異変が起きた。注射を打った腰、太もも、腹部が腫れて、血がにじみ出てきたのだ。
「すぐに販売業者へ電話をかけたけれど、私の電話番号はブロックされていて繋がりませんでした」
ベトナムでは、同じような脂肪溶解注射による被害が増加していて、安易に手を出さないよう医師が注意を促している。