「まさか自分が詐欺のターゲットになるなんて、思っていませんでした。騙されて大金を失って、すぐには立ち直れませんでした…」
こう詐欺の体験談を語るのは、イギリス人の70代女性Aさん。
Aさんは2017年に長年連れ添った夫を肝臓癌で亡くし、それから孤独な独居生活。
寂しさに押し潰されそうになっていた2018年、Aさんは運命的な出会いを果たした。
なんと、ネット上でギターの神様エリック・クラプトンと知り合い、毎日チャットでメッセージをやり取りする仲になったそうだ…
憧れのエリック・クラプトンから愛の告白
ある日、AさんはがiPadでInstagramを見ていると、大好きなミュージシャン エリック・クラプトンのファンが集まるホームページを見つけた。
Aさんは同じクラプトンのファンと仲良くなれると思い、ホームページで会員登録。
すると数日後、AさんのTwitterでDMが届いた。
「エリック・クラプトンのプライベートHPに招待します」
良くわからないままAさんがリンクを進んでいくと「曲を聞いてくれてありがとう」「いつ頃からファンなの?」など、エリック・クラプトン本人とチャット出来るようになったそうだ。
この時点で相当胡散臭いけれど、Aさんはギターの神様との運命の出会いに舞い上がり、クラプトンとのチャットが毎日の生き甲斐になっていった。
やがて、クラプトンは既婚者にも関わらず、顔もよく知らないAさんに「愛してる」と告白。この時点でAさんはクラプトンにメロメロ。宝くじに高額当選したような気分だったそうだ。
投資を持ちかけるクラプトン
「僕の音楽を聞けない国の人たちのために、ストリーミングアプリを作りたいんだ。でもマネージャーに財産を管理されていて、自由にお金を使えない。だから君に助けて欲しい」
チャットを始めてから数カ月後、Aさんはさんは愛しのクラプトンから投資話を持ちかけられた。
「ストリーミングアプリで確実に大金が儲かる。儲かったら、君には何十倍もお金を返せる」
年金と夫の遺産で暮らしていたAさんは、愛するクラプトンを助けるために出資を決意。そこから、言われるがままに何度も送金するようになってしまった…
クラプトン詐欺の被害総額1000万円
クラプトンを助けるために何度も送金していたAさんも、送金額の合計が6万ポンド、約1000万円に膨れ上がった頃には、さすがに詐欺に気づいた。
ストリーミングアプリは一向にリリースされないし、そもそも音楽業界で大成功したギターの神様が、未亡人の遺産にたかるなんておかしい…
目が覚めたAさんは偽クラプトンとの連絡を絶って、被害届を提出。
同じような被害者が出ないように、Aさんは有名人ロマンス詐欺に騙された自分の体験談をシェアして、注意を呼びかけている。
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