自分で制御できないほどの妄想に取り憑かれてしまった人物は、何を仕出かすかわからない…
そんな妄想の怖さを思い知らされる事件が起きたのは、ブラジル南東部の都市ベロオリゾンテ。
この街の歯科医院にやって来た一組の夫婦が、大暴れして院内をメチャクチャにしてしまったのだ。
大暴れした原因を、夫は次のように主張している。
「歯医者が妻の奥歯に盗聴チップを埋め込んだから、家族の会話が近所にバレバレなんだ!!!盗聴チップを取り除いてくれ!!!」
被害妄想に取り憑かれた夫婦と歯医者の盗聴チップ
夫と小さな子どもと暮らす27歳のケニア・アパレシーダは、大きな悩みを抱えていた。
「なぜ近所の人達に、自分たち家族の会話が筒抜けになっているのか…」
夫や子供にしか話していない会話の内容を、近所の人達がコソコソ噂している…ような気がしてならないのだ。
この原因について夫婦で検討を重ねた結果、ある結論にたどり着いた。
「3年前にアパレシーダが歯医者で親知らずの治療を受けた…その時に、歯医者が奥歯の中に盗聴チップを埋め込んだに違いない!!!!!」
歯の奥に盗聴チップが埋め込まれていると確信したアパレシーダは、夫と子供と一緒に歯科医院へ乗り込んだ。そして「奥歯に埋め込んだ盗聴チップを、すぐに取り除いて!!」と歯科医師に要求。
突然の出来事に受付の女性が怯えていると、夫は暴れ始めて院内をメチャクチャにしてしまったのだ…
受付のパソコンやモニターをガンガンぶん投げるほど、夫婦の怒りは爆発。
百歩譲って、政府の要人や大企業の経営者なら、秘密を聞き出すため体の何処かに盗聴チップを埋め込まれる可能性も、あるかもしれない。
しかし、一般家庭の夫婦の何気ない会話を盗聴しても、得るものなんてゼロ。「奥歯に盗聴チップが埋まってる」なんて、夫婦の被害妄想なのは、誰の目にも明らか。
この妄想夫婦の歯科医院破壊事件は、地元の警察が捜査に乗り出した…