世界最大のコカイン生産国コロンビアでは、ドラッグの密売によって麻薬カルテルが国家権力を凌ぐほどの力を持ち、ドラッグ利権を巡るギャング同士の抗争が後を絶たない。
そして不毛な争いには何の罪もない子供達が巻き込まれて、幼い命を落としてしまうケースも少なくない…
そんなコロンビアの悲惨な現状を広く訴えるため、1人のTattooアーティストが立ち上がった。
Photo|dailystar
血液の絵画を描く理由とは?
26歳のジュリアン・カスティロさんは、コロンビアの都市ロルダニーロ出身のTattooアーティスト。
大人の争いに巻き込まれて、子供達が命を落とす現状を憂いたジュリアンさんは、大掛かりなアートプロジェクトに取り掛かった。
それは本物の人間の血液を使って壁画を描くこと。
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血の壁画で、コロンビアの悲惨な現状を広く世界に訴えることが目的だ。
ジュリアンさんの意思に共感した12人のドナーから、合計で2.6リットルの血液を採取。
血液の中にTattooインクとアクリル絵の具を混ぜ合わせ、子供達が通う学校の壁に、赤く大きな鳥「血の絵画2.0」を描いた。
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「これは一種の社会実験のようなもので、血液を使った絵画は、多くの人から顰蹙を買うかと思っていました。しかし実際には、多くの人達が絵画を肯定的に受けとめてくれました」
オンラインにジュリアンさんが作品を投稿すると、そこには彼の芸術性と社会的なメッセージの重要性を称賛するコメントが殺到。
現在、このジュリアンさんは「血液で描かれた最大のアート」として、ギネスに記録を申請中。