大統領「反社のプレゼント受け取るな!」麻薬密売組織のクリスマス作戦

「彼らのプレゼントを受け取ってはいけない。彼らは人間を盾に使っている。騙されてはいけない」

国民に向けて強いメッセージを発したのは、メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領。

メキシコ大統領「反社のプレゼント受け取るな」

大統領の言う「彼ら」とは、メキシコの反社会的勢力 麻薬カルテルのこと。

つい先日、麻薬カルテルのメンバー達が一般市民にクリスマスプレゼントをバラ撒く姿が動画で撮影され拡散。これをオブラドール大統領は問題視したのだ。

メキシコ大統領「反社のプレゼント受け取るな!」

クリスマス直前に、ソーシャルメディアで一本の動画が拡散した。

動画が撮影されたのは2022年12月21日、メキシコ ハリスコ州の都市グアダラハラの低所得世帯が住む地域。

サンタやトナカイで派手にデコった車が、町の大人や子供たちにクリスマスプレゼントを配布する様子を撮影したものだ。

メキシコ大統領「反社のプレゼント受け取るな」

事情を知らなければ微笑ましく見えるけれど、実は、子供たちにプレゼントを配っていたのは、地元ハリスコ州を拠点にする麻薬カルテル「ハリスコ・ニュー・ジェネレーション」のメンバーたち。

ソーシャルメディアで動画が拡散したことを受けて、オブラドール大統領は急遽声明を発表。麻薬カルテルに利用されないよう注意を呼びかけた。

メキシコでは、何年も前からクリスマスなどのイベント時に、麻薬カルテルが地域住民にプレゼントを配布する姿が確認されていて、恒例行事になっている地域もある。

しかし当然、プレゼントのバラ撒きは善意によるものではなく、目的は地域住民からの支持を得て、麻薬密売ビジネスをやりやすくするため。

プレゼントで釣られた一般市民の中には、麻薬カルテルの摘発に命をかける警察や政府の活動を批判したり、ギャングに憧れた少年少女が、やがてカルテルのメンバーになるケースもあとを絶たない。

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