時として「愛」や「恋」は人を狂わせてしまいます。
しかも、恋愛の対象が人間でなかった場合、話は余計にややこしい。
イギリスではある女性と恋に落ちた男性が話題となっているのですが…
車とガチ恋愛する男
イギリスのサリー州で飲み屋を経営する実業家のダリアス・モンティさん35歳は、現在進行形で恋に溺れている真っ最中。
まあ店の経営者ですし、お金持ってますから、さぞ皆が羨ましがるような英国美女とイチャついているのかと思いきや…
そう、ダリアスさんが恋に落ちたのはゴールドのジャガー!!!!
高いお金を払って購入した自分の車を大切にしている人は珍しくありません。
しかし、ダリアスさんは恋愛の対象としてジャガーXタイプを人間の女性以上に愛しているんです。
人間と車の世にも奇妙なラブストーリー
ダリアスさんがジャガーXタイプと恋に落ちたのは、今から2年前。
念願だった高級車を手に入れ、ダリアスさんは愛車に「ゴールディー」と名付け、それはそれは大切にしたそうです。
新車を購入して数日が経った頃、ダリアスさんは自分の中で何かが変わるのを感じたそうです。
「彼女を洗車しようと、ボンネットを円を描くように磨いていた時…僕は自分が異常に興奮しているのを感じました。僕は、その感情を無視しようと努力したんです。ですが、家に帰ってテレビを見ていても、ガレージに行って彼女に会いたいという衝動が抑えられなかったんですよ」
まるで初恋の衝動を抑えられない少年のように、ダリアスさんのジャガーへの恋愛感情は膨らんでいき、遂に男と車は肉体的にも結ばれたのです…
「初めての体験に、自分でも何が起こっているのか理解できませんでした。最初にゴールディーと肉体的に結ばれた時は、罪悪感と恥ずかしさで混乱しました」
あまり露骨な表現は避けますが、人間の男女カップルがベッドの上で愛し合うように、毎日のようにダリアスさんもジャガーと愛し合い、性的に満たされているそうなんです…
「男が女と恋に落ちるのと一緒だよ。僕は何よりも彼女(ジャガー)と一緒にいる時間が好きなんだ。彼女のことは、ただの物質には見えないよ。恋人そのものさ」
ダリアスさんにも以前は人間の彼女がいたのですが、ジャガーのゴールディーと出逢い、車とガチで愛し合っていることを告げると人間の彼女は去って行ったんだとか…
実はダリアスさんのように車や機械に恋愛感情を抱いてしまう人たちが少なからず存在するのでした…
機械に恋するメカノフィリアとは
車を本気で愛してしまう自分は異常なのか?ダリアスさんはネットで検索。
「自分のような症状をメカノフィリアと呼ぶのだと初めて知りました。世界で僕一人ではないとわかって安心した反面、それを受け入れるのは…」
自動車や機械に性的な魅力を感じてしまうのは「メカノフィリア」と呼ばれるレアな性的倒錯、フェティシズム、精神疾患の一種。
自動車、自転車、ヘリコプター、船、飛行機などの機械的な乗り物に対する、興奮が抑えられなくなってしまうそうです。
自分が、珍しいフェティシズムを持つのだと知りショックを受けるダリアスさんでしたが、ジャガーXタイプの魅力に抗うことは出来ず、毎晩帰宅すると彼女と愛し合っているそうです。
「ゴールディーに対する気持ちは、日に日に強くなっています」
車との恋に溺れて、人間の彼女とも別れたダリアスさんを周りの友人は医者に見せようとしたが、彼はそれを拒否。
「多くの人は私のことを間違ってると非難するでしょうが、私は誰も傷つけてないし、迷惑をかけていません。彼女は私に嘘をつかないし、洗濯物を溜めてる僕に小言も言わないしね」
車との恋愛が犯罪となることも
誰かに迷惑をかけたり傷つけたりするわけではないのですが、イギリスでは、自動車などとの性行為は犯罪と見なされ、性犯罪者として登録される可能性もあるそうなので、穏やかではありません。
「ゴールディーが人間ではないと理解しているし、僕を愛してくれるわけじゃないことも理解してます。たぶん、彼女は僕の頭の中にいるんですよ。
周りに理解して欲しいとは思いません。だって僕自身でも、この恋愛感情を理解できていませんから」
ノッティンガム・トレント大学で行動中毒学を研究するマーク・グリフィス教授は、ダリアスさんのケースを、このように分析する。
「とても珍しいですが、世界中には車と本当に恋に落ちる人たちが存在します。
とても奇妙でアブノーマルですが、私は心理学的な治療は必要ないと考えます。
彼が残りの人生をゴールディーと過ごす限り、誰かを傷つけるわけではありませんから」
親兄弟としては、身内が車と本気で恋愛を始めたら心境は複雑でしょうが…
それも一つの愛の形なのですよ。