1996年公開の映画「スクリーム」は、田舎町を舞台に、10代の若者たちがマスクをかぶった正体不明の殺人鬼に次々襲われていく、ホラー作品。
この映画「スクリーム」が誕生するきっかけとなったのが、1990年にフロリダ州の田舎町ゲインズビルで発生した連続殺人事件だ。
この「ゲインズビルの切り裂き魔事件」は、スクリームの脚本を手掛けたケヴィン・ウィリアムソンに、大きな影響を与えた。
名作ホラー映画「スクリーム」元ネタの連続殺人事件
1990年8月…
アメリカのフロリダ州ゲインズビルは、全米の大きな注目を集めた。
フロリダ大学のキャンパスがあり、大学生が多く住むのどかな田舎町で、僅か4日の間に若い女性4人、男性1人が次々と殺害されたのだ。
どの犠牲者も自宅へ侵入してきた犯人によって、刃物で滅多刺しにされ、そのうちの一人は首を切断され、無残な姿で発見された。
正体不明の連続殺人鬼は「ゲインズビルの切り裂き魔」と呼ばれ、警察は威信をかけて捜査を行った。
当初、警察は被害者の女性たちと同じ年代の男に絞って犯人を特定しようとしたが、それは全くの見当違いだったことが、後に明らかとなる…
ゲインズビルの切り裂き魔の正体は…
警察の必死の捜査でも、ゲインズビルの切り裂き魔の行方は一向につかめなかった。
しかし、翌年に入ってすぐ、事件は急展開する。
事件直後の1990年9月に武装強盗の罪で逮捕された犯人のDNAが、ゲインズビルの切り裂き魔が犯行現場に残していったDNAと一致したのだ。
それは、当時35歳のダニー・ローリング。
警察から証拠を突きつけられると、ダニーはゲインズビルでの連続殺人を含む合計8件の殺人を告白した…