これは本当にあった凶悪ストーカー犯罪の怖い話…
ハリウッド女優のテレサ・サルダナは、マーティン・スコセッシ監督映画「レイジング・ブル」やロバート・ゼメキス監督映画「抱きしめたい」などのヒット作への出演で知られている。
1980年に公開されたアクション映画「摩天楼ブルース」で、テレサはヒロイン役を演じているが、この作品に魅了された一人の男の歪んだ愛が暴走し、凶悪なストーカーとなってしまった…
ハリウッド女優に魅了されたストーカー
アーサー・リチャード・ジャクソン46歳。
アーサーはイギリスのスコットランド出身で、世界中を渡り歩いた末にアメリカに不法入国した。
「摩天楼ブルース」でテレサに夢中になったアーサーは、こう考えた。
「テレサを殺して自分は死刑に処されよう。そして、死後に彼女と再会すればいい」
愛しいテレサを探すため、まずアーサーは私立探偵を雇って、テレサの母親の電話番号を調べさせた。
電話番号を手に入れたアーサーは「テレサに映画の出演を依頼したいから連絡先を教えて欲しい」とマーティン・スコセッシ監督のアシスタントに成りすまして母親を騙し、テレサが暮らしているハリウッドの自宅住所を聞き出した。
すぐにアーサーはハリウッドへ向かい、テレサが現れるのを待った。
ストーカー男の凶行
1982年3月15日…
何も知らず自宅から出てきたテレサは、突然目の前に現れた顔も知らない男から、刃渡り14cmのナイフで刺されてしまった。
唯一の救いは、近くのアパートで騒ぎを聞きつけた郵便配達員のジェフリー・フェンが、テレサに襲いかかるアーサーを取り押さえたこと。
テレサは12ヶ所を刺される重症を負ったものの、その後の治療で一命をとりとめた。
逮捕された狂人ストーカーのアーサーには、殺人未遂により懲役12年の判決が下された。
しかしアーサーは自分の罪を反省することなく刑務所の中からテレサに脅迫状を送り続け、最終的に別件の殺人事件の容疑でイギリスへ引き渡されることになった。
その後、女優として復帰したテレサは、自身のストーカー殺人未遂事件をテレビでドラマ化し本人役で登場した。