世界の犯罪史で、最も有名かつミステリアスな殺人鬼「切り裂きジャック」。
1888年のロンドンで、約2ヶ月の間に5人の女性を殺害し姿を消した犯人は、世界で最初のシリアルキラーとされ、数々の小説や映画のモチーフにもなった。
果たして、切り裂きジャックの正体は誰だったのか?
当時のロンドンにいた医師、教師、政治家、弁護士など多くの名前が容疑者として上がったがあがったが、真相は明らかになっていない。
ところが事件発生から129年が経過した2017年。
ミステリー小説のベストセラー作家パトリシア・コーンウェルは切り裂きジャックの真犯人に迫る著書を出版した。
切り裂きジャックの正体は有名画家!?
女流作家パトリシア・コーンウェルは自腹で8億円以上の調査費用をつぎ込み、長期間に渡って切り裂きジャック事件を徹底的に調査。
その結果、彼女が犯人だと確信したのは、事件当時のロンドンで創作活動していた印象派の画家ウォルター・シッカートだった。
パトリシアが最初にウォルター・シッカート犯人説を唱えたのは2002年。
日本でも翻訳本が出ている「真相”切り裂きジャック”は誰なのか?」の中で、ウォルター・シッカートを犯人だと名指しした。
ただし、この時はパトリシアの「シッカート犯人説」は物的証拠に乏しいと指摘され、批判する声も多く、美術界からの反発もくらった。
そこからさらに調査を進め、今年新たに出版された著書の中では、シッカートが切り裂きジャックであるという、新たな証拠も突き止めたそうだ。
「私は大金を使って事件や犯罪捜査の専門家たちを雇い、調査を行ってきました。もし私の出した結論が間違っていると言う人がいるなら、ぜひ証明して欲しい」
切り裂きジャック事件は「少なくとも5人の女性が殺害された」と言われてきたが、パトリシアによれば、ウォルター・シッカートが殺めた被害者は15人にのぼると言う。
パトリシアが、切り裂きジャックの正体だと指摘するウォルター・シッカートは、1860年にドイツのミュンヘンで生まれ、その後イギリスに移住。
シッカートが暮らしていた当時のロンドンで切り裂きジャックが暗躍した。
両者が同一人物であることを裏付ける根拠として、パトリシアは次の5つのポイントを指摘している…
切り裂きジャック事件の手がかり
根拠1 シッカートを知る人たちの証言
当時、シッカートを知る友人や知人が、気になる証言を多く残している。
- 「シッカートは切り裂きジャック事件に大きな関心をいだいていた」
- 「絵を描く時、切り裂きジャックの格好を真似ていた」
- 「彼は平然と人を殺して食べることができる」
根拠2 シッカートの絵画
シッカートは切り裂きジャックと関連のある作品、犯行現場と類似する作品を描き残している。
この作品のタイトルは「切り裂きジャックのベッドルーム」
根拠3 切り裂きジャックの手紙
シッカートが書き残したメモと、切り裂きジャックが警察に送った手紙には類似する点がある。
根拠4 ゲストブック
シッカートが宿泊していたホテルのゲストブックに、切り裂きジャックと書き残されていた。
根拠5 本人の告白
シッカートと仕事したことのあった絵画の表具師ジョセフ・ゴールドマンは、シッカートが切り裂きジャック事件に関与したという告白を聞いたと証言していた。
切り裂きジャック事件の真相は…?
疑いが強くなっていく中で、パトリシアはシッカートが使用していた机と絵画を購入し、DNAテストまで行い彼が犯人だと確信したそうだ。
そして、調査をすすめていく途中で、パトリシアは誰かに監視されているような気配を感じることが多々あったとか。
今でも、切り裂きジャックの正体を知られたくない人がいるのだろうか?