「強迫神経症患者の末路」異常なほど数字の10に執着する男が犯したミス

海外で話題になった怖い話を紹介するシリーズ第58話。

今回は、ある数字に取り憑かれた強迫神経症患者の話…

怖い話「強迫神経症患者の末路」

怖い話「10回生活』

食べ物を口の中に入れたら、必ず10回噛んで飲み込む。

ドアノブは10回まわしてから部屋に入る。

着信音が10回鳴ってから電話に出る。

親に教わったわけではないけれど、僕は物心ついた時から10という数字に惹かれていた。

10より少なくても、多すぎてもいけない。

マジックナンバー10を守って生きていくことが、僕の使命だと考えている。

精神科医に言わせれば、僕は強迫神経症ってことなのだろうけど、10回生活を不便に感じることはないし、周りに迷惑をかけることもない。

むしろ、出かける時に家の鍵をかけ忘れたり、食べ物を喉につまらせることもない。

きっと、僕にとっての10は災難を跳ね除け、幸せを引き寄せているはずなんだ。

同級生からは変わり者扱いされたけど、大人になった僕は料理人として成功した。

味が良いとメディアで取り上げられ、僕のお店「No.10」には有名人も多く来店してくれた。

もちろん料理をつくる時だって、ソースは10回かき混ぜて、ゆで卵やトマトを切り分けるのもきっちり10回。

でも先日、大きなミスをしてしまった。

ブロック肉をスライサーで10枚にしていた時、自分の指を1本切り落としてしまった。

少し迷ったけど、僕は2本、3本、4本、5本、6本、7本、8本、9本、10本、全ての指を切り落とした。

もう料理を作ることは出来なくなったけど、僕は間違っていなかったはずだ。

指1本だけじゃ、もっと大変なことが起こってたに違いないよ。