日本人の感覚では「呪い」はホラー映画やゲームを盛り上げる要素の一つくらいで、あまり現実的なものではありません。
ですが、海外では「魔女」や「呪術師」を生業としている人も多く、「本当に呪いは存在する」と信じている地域は珍しくないのです。
ここでは、本当に海外で発生した「呪い」や「呪術」に関するスピリチュアルな事件、それもつい最近に起こった怖い話ばかりを厳選してキュレーションしました…
呪術の怖い話①「弾丸を跳ね返す体」
アフリカ諸国では、呪術の力で病気を治療する医者「シャーマン」や「呪術師」が現代でも当たり前のように活動している。
2001年のガーナでの出来事。
およそ15人の男性グループがランブという名の村へやってきて、村の呪術師を訪ねた。
彼らは敵対する村の人達と抗争していて、呪術師に「銃弾を跳ね返す術」を教えて欲しいと頼んだ。
普通に考えれば、人間の体がピストルの弾を跳ね返すなんてありえない話。
だが、ガーナの呪術師は「2週間、調合した香草で全身を覆いなさい」と指示。
男たちは呪術師の指示に従い、全身を香草で覆って強靭な肉体に変化することを願った。
2週間後、本当に銃弾を跳ね返す体になったのか、一人の男でテストすることに。
当然、銃弾は跳ね返ることなく命中して撃たれた男は死亡。
この結果に男たちは激怒。
嘘を教えた呪術師を捕まえて殴打し、殴り殺してしまった…
呪術の怖い話②「悪魔祓い」
2016年の中国で実際に起こった事件。
辺境の田舎に住んでいた45歳のヤン・インマオは、病気の妻をなんとかしようと必死で治療法を探った。
そこで、呪術を使って治療できるという医者に頼んで儀式を行ったが、妻の病状は回復しなかった。
なぜ呪術の効果がないのか、その理由を呪術師は「悪魔が取り憑いているからだ」と言う。
「悪魔を追い出すには、妻の身体を蒸気で覆うしかない」と言う呪術師の教えに従い、ヤンは大量の水を大鍋に入れて火にかけた。
水が沸騰すると、呪術師はヤンの妻を木の樽の中に入れて、沸騰する湯の上に吊し上げた。
これで、サウナのように大量の蒸気がヤンの妻を覆うことで、悪魔は立ち去り妻の病状は回復するはずだった…
樽の中の妻が大声で悲鳴をあげ始めると「これは悪魔が叫んでいるんだ。もうすぐ身体から悪魔が出ていくはずだ」と呪術師は妻を助けようとするヤンを制した。
絶叫が聞こえなくなりヤンが樽の中を覗くと、妻は無残にも焼けただれ死亡していた。
呪術師はその場から一目散に逃げ出し、二度と姿を表さなかった…
呪術の怖い話③「政治家と呪術師」
ケニアの政治家ジェームス・ムティソは、2003年の国政選挙で当選を果たした。
この選挙の際、ジェームス議員のライバル候補は多くの呪術師を雇い彼に呪いをかけさせていた。
無事に当選を果たしたジェームス議員だが、当選の直後に車が事故を起こし川に転落。
この時、彼の車には専属の「ヒーラー」と呼ばれる呪術師も同乗していたが、二人は車内に閉じ込められ溺れ死んでしまう。
後に遺体を回収したレスキューは、車内でヒーラーが何かの呪術を行った形跡を発見。
選挙には勝利したが、ライバル候補からの呪いに勝つことは出来なかったのか…?
呪術の怖い話④「トランプ大統領を縛る呪文」
ドナルド・トランプ大統領が誕生した際、アメリカ国民の半数は、その結果に納得していなかった。
その中には魔術の力で新大統領引きずり降ろそうとする人たちも…
2017年2月、あるグループがFacebookで「アメリカを破壊し、諸外国に危害を加えようとするドナルド・トランプ大統領を呪いの力で止めよう」とニューヨークでの集会を呼びかけた。
そこに、トランプ大統領を支持しない自称魔法使いや魔術師が参加を表明。
現地に行くことが出来ない人たちは、自宅からニューヨークに向けてロウソク、クリスタル、タロットカードを使って儀式を行うことになった。
実際に集会は行われ、魔力を持つ人達が、現役大統領の行動を縛るため、一斉に呪文を唱えたんだとか。
この呪術集会には批判の声が殺到し、トランプ大統領を支持するキリスト教右派のクリスチャンの中には「これはスピリチュアル戦争だ」と怒り狂う人たちも。
この時の魔術がトランプ大統領に対して効果があったのかは…
呪術の怖い話⑤「呪いの大乱闘」
2008年のコンゴ民主共和国。
その日、サッカーの試合でローカルチームのニューキとソコザキが対戦していた。
試合展開はニューキの敗戦が濃厚だった。
そこで、ニューキのキーパーは対戦しているソコザキのプレイヤーに向けて呪いをかけるパフォーマンスを始めた。
コンゴでは、現代でも魔術の力を強く信じている人たちがいる。
そのため、ソコザキのプレイヤーたちは「自分たちに呪いがかけられている!!」と激怒し、相手チームのキーパーに飛びかかった。
そこから両チーム入り乱れての大乱闘となり、最終的に事態を重く見た警察が駆けつけ、催涙弾によって乱闘を鎮圧。
しかし、この魔術がきっかけでおこった乱闘によって11人が死亡し多数が負傷した。
呪術の怖い話⑥「呪術師が蔓延させる病気」
2016年のカンボジア。
34歳のチェム・ヤインは、同じ村に住む男たちから逃げていた。
結局、チェムは逃げ切ることが出来ずライフルのAK-47で撃たれて死んでしまう。
なぜチェムは殺されなければならなかったのか?
以前から彼の村の人達は、チェムが魔術使いであると疑い警察に相談していた。
村人の話では、チェムは呪いをかけて村人を病気にし、時には死に至らしめることもあったんだとか…
実際、村人たちは呪術や呪いを本当に信じていて、チェムのことを魔術を操る悪人だと思いこんでいた。
村人の証言を受けて警察はチェムに事情を聞いたが、彼は呪術なんて使ったこともないと事実を否定。
結局、警察は事態を収めることが出来ず、チェムが村に蔓延する病気の原因だと考える人たちは、実力行使で彼を射殺してしまった。
呪術の怖い話⑦「密告ノート」
2008年、ケニアの村の学校で1冊のノートが発見された。
誰が書いたのかわからないが、そこには「この村の呪術師」として数名の名前がリストアップされていた。
このノートがきっかけとなって、村では集会が開かれた。
ノートに名前を書かれていた人たちが、呪術を使って悪さをした証拠は何もなかったが、殺気立つ村人はノートに書かれていた人物を殺すつもりだった。
村人たちが一斉に、疑いをかけられた村人のもとに向かおうとした時、一人の女性が集会場で叫んだ。
「私が魔女よ」
すると、その他にも数名の女性が立ち上がり、同様に自分は魔女だと宣言した。
村人たちは怒り狂ったが、現場には警察がいたので、魔女を宣言した数名は身の危険を案じた警察が保護することに。
ナイロビ大学のソロモン・モニーニー博士によれば、ケニアの魔女狩りでターゲットにされるのは、主に年老いた女性。
集会で名乗り出た女性たちは、自分にも魔女の疑いがかけられる可能性が高いため、唯一生き延びる方法として、警察のいる前で魔女であると宣言したと考えられているのだとか…