今回は、深夜に不審な後続車から「あおり運転」された女性に関する話…
怖い話 59話「あおり運転の恐怖体験」
ある晩遅く、仕事を終えた看護師の女性が車で自宅へ向かっていた。
都会から離れた郊外の病院へ勤務しているため、深夜になれば付近の道路で他の車とすれ違うことも少ない。
しばらくラジオを聞きながら運転していると、彼女はバックミラーに反射する光がチカチカ点滅しているのに気付いた。
確認すると、彼女の車の後ろを走る黒いSUVがヘッドライトやウインカーを付けたり消したりしながら車間距離を詰めてきていた。
彼女が恐怖したのは言うまでもない。
一旦、車を止めようかとも考えたが、あおり運転をするような黒いSUVからどんな人物が降りてくるか分からない。
しかし周囲には逃げ込めるような深夜営業の店や警察署も無い。
後続車は、相変わらずライトをチカチカさせ加速と減速を繰り返した。
意を決した彼女は、出来るだけスピードを上げ自宅まで逃げ切ることにした。
震える手でハンドルを握り、神に助けを求めながら夢中で車を飛ばした。
しかし、それでも黒いSUVはピッタリと後ろからついてくる。
ようやく自宅へ到着し、駐車場に車を入れることもなく運転席から急いで飛び出し、後ろを振り向かず玄関まで全力で走って鍵を開け室内に入る寸前だった…