治安の良い日本でも、年間の行方不明者は10万人にのぼる。
ある日突然、誰かが姿を消す失踪事件は珍しくないけれど、2021年にルーマニアでニュースになった失踪事件は、あまりに奇妙だ。
なんと30年前に謎の失踪を遂げた男が同じ服装のまま家族のもとに帰宅。そして失踪していた30年の記憶がすっぽり抜け落ちていたのだ…
30年前に謎の失踪を遂げた男
謎の失踪事件が起きたのは1991年…
ルーマニアの田舎町に家族と暮らすヴァシリー・ゴルゴス63歳は、牛の売買を生業にしていた。
ルーマニアの各都市に出かけて行って牛の売買を行うため、ヴァシリーは頻繁に出張へ出かけ、いつも数日のうちには帰宅した。
その日も、ヴァシリーは予め列車の切符を購入し、妻と子供に「数日で戻るよ」と告げると、いつものように出張へ出かけていった。
しかし、3日経っても、1週間経っても、1ヶ月経ってもヴァシリーは自宅へ戻らなかった。家族は警察へ失踪届を出して捜索を依頼。
だが、ヴァシリーの行方に関する有力な情報は全く得られない。残された家族は「ヴァシリーの身に何かが起きて、もうこの世にはいないのだろう…」と考え、追悼セレモニーを行った。
それから何年も、何十年も、ヴァシリーに関する情報は無く、既に彼が生きて戻ってくることを信じている人は、誰もいなかった。
しかし、謎の失踪から30年後の2021年に、予想外のことが起きた。
なんと、93歳になったヴァシリー・ゴルゴスが、自宅へ戻ってきたのだ!!!