2011年11月29日…アメリカの掲示板サイト「4chan」に、少女の画像が投稿された。
画像の少女は、ちょうど6日前の11月23日から行方がわからなくなっていた18歳の女子大生エミリー・アイリーン・サンダー。
画像が投稿されたのは、警察が失踪したエミリーの大規模な捜査を行っている真っ最中だった。
本当にあった怖いネット犯罪
投稿された画像には、こんなメッセージが添えられていた。
「誰かが正確に数字を推測することが出来れば、彼女の埋葬されている場所がわかるよ 37.761962 N, 96.210194 W.」
数字は暗号などではなく地図の座標を記したもので、カンザス州の都市エルドラドから東に50キロほど離れた国道脇を指していた…
謎の人物が掲示板に不気味なメッセージを書き込んだ1時間10分後、まさに座標とピッタリ同じ場所から、エミリーの遺体が発見された。
遺体は歯科医院の記録を確認しなければ、本人だと特定できないほどだった…
警察はすぐに容疑者を洗い出し、その行方を追った!!!
容疑者はメキシコへ逃亡
エミリー殺害の容疑者として、警察はメキシコからの移民で24歳のイスラエル・ミレルスの行方を追った。
「エミリーとミレルスが一緒にいるのを見た」との目撃証言が寄せられたからだ。
当時、ミレルスが宿泊していたモーテルからは大量の血痕が発見され、事件に関与していたことは明らかだった。
しかしエミリー殺害の直後にミレルスはメキシコに逃亡。
国を跨いでいるため捜査は難航したが、12月19日に当時ミレルスが付き合っていた彼女の祖母の家でメキシコ警察が身柄を拘束。
この時、ミレルスはエミリーの血痕が付着したナイフを隠し持っていた。
仮釈放無しの終身刑
その後、ミレルスの身柄はアメリカに引き渡されエミリー殺害容疑での裁判が始まった。
検死の結果、エミリーは胸部をナイフで2回刺され、電話のコードで首を絞められ、ビール瓶で何度も殴られたことで頭蓋骨は粉砕されていた。
ミレルスは「エミリーと一緒にいたところに不審な男が侵入してきて、彼女を殺害してしまった。パニックになって遺体を捨ててしまった」と証言し、弁護士も無罪を主張した。
しかし全ての証拠はミレルスが犯人であることを示していたため、2010年3月31日に仮釈放無しの終身刑が宣告された。
これで事件は一応の終焉を迎えたが、まだ明らかになっていない謎も残されている…
4chanへの書き込みの謎…
遺体が発見されるよりも前に、掲示板サイト4chanに事件を仄めかす書き込みがなされていたことは事実だが、この書き込みについて警察もミレルスもコメントを発表していない。
果たして、あの書き込みを行ったのはミレルスだったのか?
わざわざ遺体を遺棄した場所を書き込んでも、自分の首を絞めるだけで何のメリットもない。
こんな噂もある…
「エミリー殺害には、もう一人別の誰かが関与していたんじゃないか?4chanに事件のヒントを書き込んだ人物は今もどこかで…」