「YouTubeで最も有名な行方不明者」
そう呼ばれているのは、2014年7月にブルガリアで姿を消した当時28歳のドイツ人ラース・ミッタン。
ラースはブルガリアの海浜リゾートで友人達と休暇を過ごしていたが、帰国の際に空港の外で監視カメラに映り込んだのを最後に、多くの謎を残したまま失踪してしまった…
未解決失踪事件…不可解な監視カメラ映像
監視カメラの映像には「彼の身に何かが起きた…」と思わせるに十分なほど、ラースの不可解な行動が映っていた。
バックパックと大きな手荷物を持って空港のターミナルにラースは姿を表した。
ところが、その直後、荷物を持たないラースが、何かから逃げるように空港から走り去ってしまった…
ここからラースは母国ドイツに戻ること無く、今でも行方がわかっていない。
一体、彼の身に何が起きたのか?
この不可解な映像はネット上で世界中に拡散し、「YouTubeで最も有名な行方不明者」と呼ばれるようになった。
「悪い奴らに捕まってしまったのでは…_」
「姿を隠して、今でも表に出てこれない深刻な理由がある」
「映像には映っていない悪霊に追いかけられていた」
ネット上では、ラースの失踪に関して多くの噂、仮説が語られているが本当のところは誰にもわからない。
しかし、この失踪事件の後、警察の捜査で休暇中のラースに「ある異変」が起きていたことが明らかになっている…
自分の命を狙う者…
友人たちと休暇を過ごすためブルガリアのリゾート地へやって来たラースだが、そこで彼はサッカーファン同士の言い争いに巻き込まれ、頭部を強く殴られた。
その際、ラースの鼓膜は破れ脳震盪で倒れてしまう。
この時の負傷が原因で、ラースは友人たちと一緒にドイツへ帰国することが出来なくなった。
先に帰国した友人のポール・ローマンによれば、最後に会った時のラースは怪我をしていたものの特に変わった様子はなく落ち着いていたと言う。
しかし、同時期にラースは母国の母親へ電話をかけ、銀行のキャッシュカードを失効させて欲しいと頼み、「自分を殺そうとしている奴に尾行されている…」と、トラブルに巻き込まれていることを示唆した。
母サンドラ・ミッタンは、ドイツのテレビ番組のインタビューで「電話口の声は、何かに怯えている様子で、息子に危険が迫っていると感じました。誰かが自分を殺そうとしてると…」と語った。
ドイツへ帰国する事になり、空港へ向かったラースは、搭乗前に空港で医師の診察を受けなければならなかった。
その時にラースを診察した医師によれば、彼は見るからに「神経質で不安定」な状態で「こんなとこで死にたくない!!ここから出なきゃいけない!!」と訴えたとか…
荷物を持たずに空港から走り去る姿が監視カメラに写っていたのは、この直後のこと。
警察の捜査でも、空港を出た後のラースの足取りは掴めず、家族に雇われた探偵がブルガリア国内を探したが、発見には至らなかった。
頭部へのダメージや鼓膜が破れたことによって、ラースの中で、ありもしない妄想が膨らんでしまい、誰かに狙われてると思い込んだ末に、姿を消したと言う説も根強い。
しかし、ブルガリアは人身売買や組織犯罪が横行していることでも知られているので、彼が何らかの犯罪に巻き込まれた可能性も否定できない…