ある日突然、人が失踪することは珍しくない。一度に複数の人が、姿を消すこともある。
しかし、1923年にブラジルで発生した失踪事件は、あまりに不可解で、今でも全てが謎に包まれている。
なんと、ある村で生活していた600人の住人が、一斉に姿を消してしまったのだ…
未解決大量失踪事件「600人の住人が消えた村」
これは1923年にブラジルで発生した、不可解な大規模失踪事件の顛末…
ブラジル国内を旅していた若者のグループが、食料と水、寝床を求めて、ホーアベルデという村に立ち寄ることにした。
が、すぐに若者たちは異変に気づいた。
ホーアベルデ村には、全く人の気配がないのだ。
生活音も話し声も聞こえてこない。家畜やペットすら見当たらない。
とりあえず、若者たちは数軒の民家の中に入ってみた。
どの家も、家具などはそのまま残っていて、洗濯物も干したまま。食卓の上には食器が並んでいるけれど、盛られた料理はすでに腐っていた。
おそらく数日前まで、村人が生活していたようだけれど、突然この世から消えてしまったようだった…
徐々に恐ろしくなった旅人たちは、急いで村から抜け出した。そして、最寄りの集落に到着すると、自分たちが見てきた誰もいない村について地元当局に通報した…
黒板に残された不気味な告白
通報を受けて、地元政府の関係者と護衛の軍人が、ホーアベルデ村の調査に向かった。
村には600人の住人が住んでいることになっていたけれど、確かに誰もいない。
各家を調べてみても、誰かと争ったような形跡は見られず、どこかへ引っ越したようにも思えない。
一行は村の子供たちが通っていた学校を訪れると、教室の黒板に書き残された一文を発見した。
「夢も希望もない…」
村人たちは何か問題を抱えていたのだろうか?
600人失踪の理由は全く明らかにならなかったけれど、それ以上、この件が捜査されることは無かった。
数日のうちに、ブラジル政府がホーアベルデ村の調査打ち切りを指示したからだ…