15年ほど前から、スイス西部の森林地帯で奇妙な噂が広がり始めた。
「森の中でガスマスクを付けて迷彩服を来た兵士を見た…」
例えば「トイレの花子さん」のように、特定の場所に不気味な人物が現れる噂話は、海外で語られている都市伝説にも多い。
ただ、スイスのガスマスク兵士は現在進行系で目撃が相次いでいて、実際に自分の目で見た地元の人達が、次から次へと恐怖体験を告白している。
怖いスイス都市伝説「ガスマスク兵士ル・ロヨン」
ある地元のアマチュア写真家は、次のように語っている。
「アイツが森の中を行進しているのを間近で見たんだ。数十メートルの距離まで近づいて観察すると、古いタイプの軍帽、ブーツ、ガスマスクを着用していたよ。さらに近付くと、アイツと目が合ったんだ。そして私に背を向けて去っていくと、森の中は静寂に包まれたんだ…」
目撃者の証言で共通しているのは「ガスマスク」「軍服」「森の中を徘徊」そして、危害を加えられたなどの報告は無い。
中には「花束を抱えていた」との意味深な目撃情報も…
いつしかガスマスク兵士は「ル・ロヨン」と呼ばれ、スイス都市伝説のアイコニックな存在となっていった。
地元民に恐怖が連鎖…
「あれは雨の降る日曜日のことでした。帽子とガスマスクを着けた人物を目撃しました。一体、彼が何を考えているのか分かりませんが、とても気味が悪くて…二度とお目にかかりたくないですね」
地元に住むマリアンヌ・スクロウクスさんのように、ガスマスク兵士ル・ロヨンに怯える人も多く、現地警察は目撃情報周辺の森林でパトロールを強化。
「この問題に関して、人物の特定につながるようなものは何もないので、解決するのは難しいでしょう。しかし、人々に恐怖心を抱かせる存在なので、問題解決に向けたミーティングを行っていく予定です」
森林管理を担当しているガイ・サヴァリー氏も、噂には信半疑のようだが、果たしてガスマスク兵士は実在するのか?それとも、この森に未練を残して亡くなった男の…