カナダのブリティッシュコロンビア州で、ドラッグストアを開店した男が速攻で警察に逮捕された。
逮捕の理由は明快。
男が開店したのは、白昼堂々とコカインや覚醒剤を販売するハードドラッグストアだったからだ!!!!
カナダの薬物規制とハードドラッグストア開店した男
ハードドラッグストアの店主として、2023年5月3日の開店から24時間も経たないうちに麻薬密売容疑で逮捕されたのは、51歳のジェリー・マーティン。
マーティンが販売していたのはヘロイン、コカイン、覚醒剤、MDMAなどなど。逮捕されて当然のように思えるけれど、カナダと日本では薬物規制に関する考え方が全く異なっている。
ハードドラッグストアがオープンしたブリティッシュコロンビア州では、2023年1月31日から一部の薬物を非犯罪化する政策が実施されている。
ヘロインやコカイン、覚醒剤などは警察に所持しているのがバレても、2.5g以下なら逮捕されることも、薬物を押収されることもない。
この政策の目的は、薬物中毒となってしまった人が支援サービスに助けを求めやすくするため。そして、過剰摂取で命を落とす人を減らすのが目標。徹底的に薬物使用を罰する日本とは真逆のアプローチだ。
とは言え、薬物に寛容なブリティッシュコロンビア州でもハードドラッグを堂々と店舗販売するなんて違法行為。ヘロインやコカインの販売は最高で終身刑判決が下される可能性もある。
安全なドラッグの供給を目指す!?
逮捕された店主ジェリー・マーティンは、ハードドラッグストア開店に向けて次のようにコメントしていた。
「フェンタニルを含まない安全なドラッグを供給したいんだ」
フェンタニルとは非常に強力な鎮痛剤、麻酔薬の一種で、ヘロインやコカインなどの混ぜものとして使用されがち。あまりに強力なので、フェンタニルで多くの薬物中毒者が命を落としている。
カナダのブリティッシュコロンビア州でも、2016年以降にフェンタニルが原因で11,000人以上が亡くなっているそうだ。
「薬物の販売規制が原因で有毒な薬物が出回っているんだ。そして多くのカナダ人が命を落としている。これは人権侵害だ。自分は逮捕されても構わない」
世間に一石を投じるため、マーティンも警察に逮捕されるのは承知の上で、フェンタニルの混ざっていないハードドラッグの販売に踏み切ったそうだ。