身元不明の焼死体「イスダルの女」に共産主義国のスパイ疑惑

徹底して身元を隠す女…

検死結果

検死の結果、イスダルの女は生きたまま部分的に炎で焼かれ、死因は火傷と一酸化炭素中毒。

血液を分析すると、大量の睡眠薬を服用していたことも明らかになった。

首には鈍器による強い打撃を受けた跡、歯の治療はノルウェー国外の極東や南米で受けた可能性を示唆していた。

未解決事件イスダルの女

2つのスーツケース

遺体から採取された指紋が、駅に残されていた持ち主不明のスーツケース2つと一致。

中には洋服、日記、ポストカード、ウィッグ、病院で処方された傷薬、偽造パスポート、大量の紙幣などが入っていた。

ただ奇妙なことに、女性の身元特定につながるような記述は、意図的に切り取られていた。

ポストカードから、彼女と一緒に食事をしたことのあるイタリア人の写真家を探し出したが、彼は一度食事しただけで、彼女の素性については全く知らなかった。

 

目撃証言

警察は生前にイスダルの女が買い物にやって来た店を特定。

接客した店員は、次のように感想を述べた。

「とても上品な方でした。ただ、英語に何か訛りがあるようでした」

最後に目撃されたのは、彼女が宿泊していたホテルだったが、そこで目撃情報が途絶えた。

警察は目撃証言や身体的特徴から似顔絵を作成し、メディアやインターポールの協力のもと、ノルウェー国内外から情報を募ったが、人物の特定には至らなかった…

果たして、イスダルの女は何者だったのか?

そのヒントの欠片は、彼女が書き残した日記の中に隠れていた…