1970年代の日本の子供達の間で流行したのが、受け取った人は、文面の指示に従わなければ、不幸になると言われる「不幸の手紙」。
この薄気味悪い都市伝説に、当時の日本の子供達は恐怖したそうだ。
ちょうど同じ頃、アメリカの小さな町でも、一方的に住人達へ送られてくる不幸の手紙が問題になっていた。
やがて、この不幸の手紙がきっかけで、町の住人が命を落とす未解決事件に発展する…
リアル不幸の手紙騒動
アメリカのオハイオ州に位置するサークルビルは、犯罪と無縁の平和で小さな町。事件など滅多に起こることがなかった。
しかし1976年…
サークルビルの住民達へ不気味な手紙が届きはじめたことで、平和だった町は不穏な空気に包まれていった…
サークルビルの住民たちへ届けられるようになった不気味な手紙は、どれも差出人は不明。
手書きの文字は独特なブロック体で、意図的に筆跡を隠そうとしていたのだと思われる。
文面には、受取人の個人情報や日々の行動が事細かに記されていたうえに「いつも見ている」など、ストーキングをほのめかした。
この不気味な手紙に関する噂はすぐに広がり、当時サークルビルに住んでいた14,000人の住人たちは恐怖した。
中でも、夫と子供を持つ人妻メリー・ギリスピーは、身に迫る恐怖を感じずにはいられなった…
人妻の不倫を告発
スクールバスの運転手をしているメリーのもとに届いた、差出人不明の手紙は、彼女が学校の校長と不倫していると告発した。
「お前の事をずっと監視していた。子供がいることも知っている。これは深刻な問題だ」
メリーは手紙が届いたことを誰にも打ち明けることが出来ず、警察にも家族にも職場にも隠し通すことにした。
しかし数日後、今度はメリーの夫ロンが手紙を受け取ってしまった。
「不倫を終わらせるか、お前が死ね」
ロンは妻に手紙の内容を問い詰めたが、メリーは「何も心当たりがない、手紙は意味不明の脅迫だ」と言い逃れた。
が、小さな町なので、メリーと校長の不倫の噂もすぐに広まった。
住民たちから向けられる、疑惑の目を無視して平然を装っていたが、メリーを監視する謎の人物からは新たな手紙が届いた…
「あれから2週間経つけど、お前は何もしなかった。不倫の事実を認め、教育委員会へ報告しろ。さもなくば、テレビ放送、街の看板や張り紙を使って、真実を伝えることにする」
おそらく、手紙の差出人は、近所に住むサークルビルの住人の誰か。しかし、メリーは誰かから恨みを買うような心当たりはなかった。
それから手紙はパッタリ届かなくなったが、今度は別の事件が発生する…