アメリカのニューメキシコ州ロズウェルに住むリンジー・ローゼントレイターさんは、ウィリーという名の馬を所有していたが、妊娠したことで毎日のウィリーの世話をすることが出来なくなってしまった。
夫も仕事が忙しく、ウィリーの世話まで手が回らないので、早急に新たな飼い主を探さなければならなかった。
そんな時、リンジーさんはアラバマ州の大学で獣医学部へ通う、24歳のファロン・ブラックウッドと出会った…
動物愛護に付け込む女子大生詐欺師
「私は広い牧草地を所有していて、年老いた競走馬の面倒を見ているんです。もしよければウィリーを引き取りましょうか?」
獣医学部の学生が面倒を見てくれるなら安心だと思い、リンジーさんはウィリーをファロンへ託した。
しかし、それからしばらくしてリンジーさんはファロンに対して不信感を抱き始める。
「新しい牧場で生活してるウィリーの写真を送ってください」リンジーさんは、ウィリーが新天地で元気にしているか確認するため、ファロンに写真を撮影して送ってほしいと連絡したが、彼女は申し出を拒否。
そして次第にリンジーさんからの電話にも出なくなった。
本当にファロンはウィリーの世話をしているのか?
心配になったリンジーさんは、Facebookページを立ち上げ、これまでの経緯やファロン・ブラックウッドに関する情報を掲載した。
すると、同様のエピソードを持つ飼い主たちが次々と現れたのだ。
被害が相次いだことで、アラバマ州の保安官が捜査を開始すると、ファロン・ブラックウッドが飼い主たちから引き取った馬を飼育している実態がないと判明。
それどころか、ファロンは引き取った馬を屠殺した後にメキシコの食肉加工業者へ売り飛ばして、小銭を稼いでいたのだ。
馬肉はドッグフードに…
この事件を担当したアンドレ・ブランソン保安官によれば「ファロン・ブラックウッドは飼い主へ『素晴らしい牧草地で馬が余生を過ごすことが出来る』と約束していたが、実際には、引き取られた馬は屠殺されメキシコでドッグフードの原料にされてしまったと思われる」とのこと。
これまでに同様の手口で被害にあった馬は50頭以上にものぼると見られ、動物愛護の精神に浸け込んだ卑劣な詐欺師ファロン・ブラックウッドは1月19日に逮捕された。
被害者の一人リサ・ルドルフさんは、メディアのインタビューでファロンを強く非難した。
「学歴に騙されて、私の飼っていた馬は虐殺されてしまったわ。今は、彼女に正義の裁きが下されることを祈っているわ」
今年の5月には大学の獣医学部卒業を予定していた女詐欺師は、今後どのように罪を償うのか?