きっかけとなったのは、2021年8月6日に東京オリンピックで行われた近代五種女子の馬術競技。
ドイツ代表のアニカ・シュロイ選手が騎乗した馬セントボーイは、5つ目の障害物を目前に興奮状態となり、全く言うことを聞かなくなってしまった。
予想外のハプニングにアニカ選手は号泣。結果として馬術では失権となりメダルを逃すことに…
この様子が世界中に放送されると「動物虐待だ!!!」と批判が殺到して大問題となった。
アニカ選手を指導するキム・レイズナー監督が、暴れるセントボーイを殴るシーンが映っていたからだ。
東京五輪で馬を殴ったドイツ人監督のその後…
問題行為は直ちに拡散。近代五種連盟UIPMは「映像を確認すると拳で馬を殴っているように見える。これは競技規則違反だ」として、キム・レイズナー監督を東京オリンピックから追放する、厳しい処分を下した。
アニカ選手やキム監督に対しては、世界中から凄まじいバッシングが寄せられていたが、それから約半年後…
すでに東京五輪グーパン事件が話題になることもなかったけれど、キム監督の母国ドイツでは、オリンピックでの一件が「動物虐待にあたるのか?」捜査と検証が行われていた。
その結果を踏まえ、キム監督に対する処分が発表された…
異例の心理状態だったので動物虐待は不起訴
ドイツ当局は東京オリンピックで馬を殴ったキム・レイズナー監督の動物虐待疑惑に対して、次のように結論付けた。
「馬が怪我したわけではないこと。そして彼女はオリンピックによって異例の心理状態にあったため、動物虐待にはあたらない。慈善団体に寄付することを条件に、捜査は打ち切ることを決定した」
オリンピックで想定外のハプニングが発生してテンパったキム監督は、馬を殴ってしまったけれど、本意ではないから虐待ではないと判断されたようだ。
また、今回の一件で、近代五種からは馬術競技が排除される可能性も高まっているため「今後、同じような問題が繰り返されることもないだろう」と付け加えた。