これは17世紀のイタリアに実在した、女性殺人鬼ジュリア・トファーナに関する話。
ジュリア・トファーナは生涯で600人もの男性の毒殺に関与したと言われている。犯罪者であることは疑いようのない事実だけれど、当時のイタリアの女性達からは英雄のように称賛された。
なぜなら、彼女が毒殺したのは妻に暴力を繰り返すDV夫ばかり。
DV被害に悩む妻にとってジュリアは救世主だったのだ。
600人のDV男を毒殺した女性殺人鬼
17世紀のイタリアでは、多くの女性が辛い結婚生活を送っていた。
今の時代とは比べ物にならないほど男尊女卑が激しく、妻がDV被害を訴えても夫が処罰されることは非常に少ない。女性たちを地獄から救い救い出してくれるような制度、機関は存在しなかった。
さらに離婚して縁を切ることも難しく、夫の暴力から逃れるには家を出て路上生活を送るか、夫の息の根を止めるしかなかった…
そんな、女性にとって過酷な時代に生まれたのがジュリア・トファーナだった。