2004年に公開されたスティーブン・スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演映画「ターミナル」は、ひょんなことから空港のターミナルに住み着いた男性が主人公の作品。
実は、この映画でトム・ハンクスが演じた主人公ビクター・ナボルスキーにはモデルとなった人物がいた。
それが、1988年から2006年までパリのシャルル・ド・ゴール空港の中で生活していたイラン人マハーン・カリミ・ナセリさん。
異国の空港で生活しながら書いた日記が、スピルバーグによって映画化されるという、まさに数奇な人生を送ったマハーンさんだが、つい先日、彼が「故郷」と呼んでいた空港の中で亡くなってしまった。
映画「ターミナル」元ネタのイラン人男性
マハーン・カリミ・ナセリは1945年にイランで生まれた。1974年にイギリスの大学へ留学。その後、イランへ帰国したけれど、イラン王室への抗議活動に参加したことで投獄され、最終的に国外追放されてしまった。
ヨーロッパへ渡ったマハーンさんはベルギーや西ドイツ、フランスなどで難民申請を行うも却下され、最終的にパリのシャルル・ド・ゴール空港に行き着いて、1988年からターミナルでの生活が始まった。
空港内のベンチで寝起きして、空港職員と友達になり、ターミナル生活の日記をつけながらパリにやって来た旅行者を見守る日々。
やがてパリのシャルル・ド・ゴール空港に住み着いた男の噂は国内外に拡散。マハーンさんが書き残していたターミナル生活の日記の映画化権がスピルバーグの制作会社に30万ドルで買われ、大ヒット映画となったのだ。
その後、大金を手にしたマハーンさんだったけれど…