体全体をトゲトゲの針でコーティングして外敵から身を守る、賢い進化を遂げた生物と言えば、ご存知ハリネズミ。
ですが、その唯一最大の武器「針」を奪われてしまうと、野生では格好の餌食になってしまいます…
イギリスでは寒さの厳しい街を彷徨っていた2匹の針無しハリネズミ兄弟が保護されました。
針無しの原因は亜鉛不足
イギリス・ヨークシャーの街ブリドリントンで、2匹の不思議な生物が発見されました。
モグラのようにも見えますが、2匹の正体は「針の無いハリネズミ」と判明。
針が無いので、キツネやフクロウに見つかってしまうと命の危険が高いため、2匹は野生動物の保護機関に預けられることに。
この不憫なハリネズミの治療を担当することになったアレクサンドラ・ファーマーさんによれば「これは亜鉛の欠乏によって生じる、とても珍しい症状です。おそらく、この2匹に針が生えていないのは、親のハリネズミに問題があったのだと考えられます」とのこと。
こちらは、生まれたばかりの別のハリネズミの赤ちゃんの映像で、小さくても全身が細い針で覆われているのがわかります。
こちらは、以前にイギリスで発見された同様の症状を持つ、針の無いハリネズミの動画。
何らかのも問題を抱えた親から生まれたハリネズミの兄弟は「チャーリー」「スヌーピー」と名付けられ、食事と一緒に鉄分を含むサプリメントを摂取し、再び針が生えてくるように経過を見守っていくそうです。
「もしかしたら、この2匹の兄弟で同様に針の生えてこないハリネズミがいることも考えられるので、発見された付近を捜索したのですが、見つかりませんでした」
チャーリーとスヌーピーは、針が生えて、本来あるべき姿に戻ったら、再び野生に戻される予定なんだそうです。