思いもよらない擬態で天敵から身を守ってるは、マレー半島やボルネオ、スマトラの辺りに生息するクロミズカキトビアオガエル(学名:Rhacophorus nigropalmatus)。
成長するとカエルらしい緑色の体になるのだけれど、その前、オタマジャクシから変態して間もない幼体の頃は、体全体がまっ茶色で無数の白っぽい斑点。
なんとこの幼体の頃のクロミズカキトビアオガエルは、天敵から身を守るためウンコに擬態しているそうなのです!!!
ウンコに擬態するクロミズカキトビアオガエル
熱帯雨林の木の上で生活するクロミズカキトビアオガエルは、指の間の膜を扇のように開いて、木と木との間を飛行することで知られています。
そんなクロミズカキトビアオガエルの天敵は、同じく木の上に生息するヘビ。
ヘビに捕食されず熱帯雨林をサバイブして子孫を残すため、クロミズカキトビアオガエルが選んだのは、ウンコへの擬態だったのでしょう。
幼い頃の姿は、消化不良のツブツブが混じったウンコそのものなので、腹ペコのヘビだって口に入れるのは躊躇うはず。
クロミズカキトビアオガエルは約1年ほどウンコに擬態した姿を経て、森林の葉の色に溶け込む緑色した立派な大人のカエルに成長するそうです。
このウンコ擬態を検証したウィーン大学の生物学者スザンヌ・シュティックラー博士の研究チームによれば、普通の緑色のカエルよりも、クロミズカキトビアオガエルの幼体は天敵から攻撃を受ける頻度が、明らかに低かったとのこと。