ロシアには、アニメキャラ「ポパイ」のようなモリモリの筋肉を持つ男がいる。
その男の名前はキリル・テレシン。
キリルの上腕二頭筋は生ハムの原木のように極太でムキムキだけれども、筋トレに励んで手に入れたものではない。
美容整形などに使用される「シンソール」と呼ばれる合成油を大量に注入して、腕を膨張させただけ。
そのた、キリルのボディは正攻法で筋肉を鍛えたボディビルダーとは違って、非常にアンバランス。
さらに、これまで大量に注入してきたシンソール注射が、キリルの命を脅かしているそうだ…
フェイク筋肉でロシアのポパイが命の危機
ロシアのポパイことキリル・テレシンが腕の中に注入してきたシンソールは、感染症や神経の損傷を引き起こす危険性が高いことで知られている。
「20歳の頃の自分はバカだった。後先考えずに腕を大きくしてしまった。今は自分の腕が恐ろしい。もっと早く深刻に考えるべきだった」
不自然に腕を太くしたことで、海外のメディアからも注目を集めたキリルだったが、月日が経つと腕の痛みや発熱など、体に異変を感じるようになった。
彼の体を心配する人たちの説得も有り医師の診断を受けたところ、キリルは衝撃の事実を知らされた。
シンソールだと信じて腕に注入していたのは、より安価で危険性の高いワセリンだったのだ…
ワセリンの体内注入は超危険
石油を精製して作られるワセリンは、試合中のボクサーが止血に塗ったり、化粧品として保湿のために使用されることがあるけれど、体内に注入するのは非常に危ない。
筋肉や皮膚に浸透して、血液の流れを妨げてしまうのだ。
現在、キリルの腕の中の大量のワセリンは固まってシコリになってしまい、腕を動かすことも困難。
一刻も早く取り出す必要があるけれど、手術は複雑で非常に難しい。更に、新型コロナのパンデミックの影響で、手術のスケジュールは予定より大幅に遅れている。
キリルの担当医ドミトリー・メルニコフ氏によれば「手術によって合併症を引き起こす可能性が非常に高い。でも、長期間、腕の中の有毒物質が入っていると腎臓が侵され、死に至る可能性も考えられる」とのこと。
すでに、キリルは上腕三頭筋のシコリを取り除く手術を受けたけれど、次は、上腕二頭筋も手術を行わなければならない。
「近い内に3回目の手術を受ける予定です。ただ複雑な手術なので、結果がどうなるか分からない…」