夜中に眠れなくなるほど恐ろしい「海外で話題になった怖い話シリーズ」。
今回は、元彼の死に疑問を抱いている女性の怖い話…
怖い話 其ノ五十二「元彼は本当に死んだのか?」
私が大学へ通っていた頃の話です。
偶然、近所の公園で知り合った年上の男性と3ヶ月ほど付き合っていたのですが、ある日突然、彼は亡くなってしまいました。
「急に昏睡状態になって、手の施しようもないまま、ついさっき亡くなってしまいました」
彼の友達を名乗る人物からの電話で突然の死を知らされた事は、あまりにもショックでした。
付き合い始めて間もなかったのですが、私は明るくて真面目な彼のことを愛していたのです。
すぐにでも会いに行きたかったのですが、彼の友人が言うには、今は両親も憔悴しているので、4日後の葬儀に参列して欲しいとのことでした。
まだ彼の死を受け入れられないまま、私は重い気持ちで葬儀へ向かいました。
しかし、思い返せば付き合っていた3ヶ月の間に彼の友人と会ったことはなく、葬儀会場にいるのは見知らぬ人たちばかり。
そして、この葬儀の時の光景が、今でも私の心に引っ掛かっているのです。
参列していた人達は、誰も彼の死を悲しんでいる様子がなく、両親や2人の妹たちでさえも、笑顔で会話を楽しんでいるようだったのです…
哀しみをこらえて、あえて明るく振る舞っているのかとも思ったのですが、彼との思い出話さえ聞こえてきません。
最期に彼の顔を見せて欲しいと頼んだのですが、すでに棺桶を閉じた後で、もう見ることは出来ないと断れてしまい、もやもやしたままのお別れとなってしまいました。
彼の棺桶が埋葬されてから10年近く経ったのですが、こう考えることがあるんです。
あの時、本当に彼は死んでいたのか?
棺桶の中に彼の遺体は入っていたのか?
葬儀に集まっていた人達や家族も、全て彼とは無関係の人達で、何らかの理由で死を偽装するために雇われていたんじゃないか?
彼が私と付き合っていたのにも、別の理由があったんじゃないか?
公園で出会ったのは、本当に偶然だったのか?
一度考え始めると気が狂いそうになって、夜も眠れません…