アメリカのノースカロライナ州にある医療刑務所で、81歳の老人が遺体で発見された。
この老人は、かつて全米を震撼させた有名な殺人鬼…
1978年から1995年にかけて全米各地で爆弾事件を起こしたユナボマーことセオドア・ジョン・カジンスキーだったのだ!!!
数学の神童が最悪の爆弾魔に…
1942年5月22日にイリノイ州シカゴで誕生したセオドア・ジョン・カジンスキーは、幼い頃から、ずば抜けて頭の良い神童だった。
知能テストではIQ167を記録。飛び級によって16歳でハーバード大学に進学して数学を専攻。ミシガン大学の大学院にも進み修士号と博士号を取得した。
ただ人と関わることが苦手で、常に周りからは孤立。
25歳の時にはカリフォルニア大学バークレー校で、開校以来最年少の数学の助教授となったけれど、わずか2年ほどで何の説明もなく退職。
その後は、人里離れたモンタナ州の森の中の小屋で、電気も水道も使わず、自給自足に近い生活を送っていた。
世捨て人のような暮らしの中で、カジンスキーは産業社会やテクノロジーに対する危機感や憎しみを募らせるようになり、1978年から爆弾事件を起こし始める…
爆弾魔ユナボマー逮捕
かつての数学の神童は、大学や航空会社を狙う正体不明の爆弾魔となり、ユナボマーと呼ばれ恐れられるようになった。
膨大な時間と人員を投じて捜査を行ったけれど、20年近くユナボマーが捕まることはなかった。
その間にユナボマーは全米各地で16件の爆弾事件を起こし、3人が死亡、23人が重軽傷を負った。
1995年、ユナボマーの書いた「産業社会とその未来」という論文がニューヨーク・タイムズとワシントン・ポストに掲載された。
この論文をカジンスキーの弟デイヴィッドが読み「ユナボマーは自分の兄かもしれない」と通報。
これがきっかけとなり、1996年4月3日にユナボマーことセオドア・ジョン・カジンスキーはFBIによって逮捕された…