世界的大企業Amazonのメキシコを統括していたCEOファン・カルロス・ガルシアは、ある事件をきっかけに数年前から失踪している。
それは2019年に発生したファン・カルロス・ガルシアの当時の妻アブリル・ペレス・サガオン暗殺事件だ。
Amazonメキシコ元CEOの妻暗殺計画
2019年11月25日、メキシコの首都メキシコシティで、映画のような暗殺事件が発生した。
走行中の車が赤信号で止まると、横に1台のバイクが止まり、助手席にいた女性に向けて発砲。弾丸は頭部に命中して女性は死亡。そのままバイクは走り去っていった。
この殺人事件の被害者はアブリル・ペレス・サガオンで、夫はAmazonメキシコのCEOファン・カルロス・ガルシア。ガルシアは、Amazonが2015年にメキシコに最初の拠点を作った時にCEOに就任した人物だった。
すぐに事件の最重要容疑者としてマークされたのは、夫のガルシアだ。
と言うのも、当時、夫婦は裁判中。アブリルが「夫から家庭内暴力を受けている。睡眠中に野球のバットで頭部を殴られ殺されそうになった」と、裁判所に訴えていたのだ。
警察は「夫が殺し屋を雇って妻を殺害した」と見て、身柄を拘束しようとしたが、容疑者ガルシアはメキシコから逃亡。インターポールを通じて、国際指名手配されることになった。
その後、ガルシアの行方はつかめず事件は未解決となっていたけれど、警察は暗殺を実行した2人の殺し屋を逮捕。
2人の殺し屋はガルシアから大金と引き換えに、アブリル殺害を依頼されたと証言を始めた…
Amazon元CEOは今も逃亡中
2022年6月に、アブリル・ペレス・サガオン殺人事件の裁判が始まり、暗殺を実行した2人の殺し屋が証言を行った。
「アブリルを殺害する報酬として18万ペソ(約120万円)受け取った。逃亡中のガルシアから支払われた」
現在でもファン・カルロス・ガルシアの行方は分かっていない。インターポールによれば、暗殺計画が実行に移された数日後に、ガルシアはメキシコを脱出して、アメリカへ密入国したと見られている。