「俺は刑務所行きだ…」
暴走事件の直後、キャンプ場から少し離れた森の中でハイキングをしていた男女2人が、錯乱状態のデビン・ウィリアムズを目撃している。
停車したトラックの傍らで立ち尽くす男は明らかに様子がおかしく、警戒する2人に向かって、こう話しかけた。
「あいつらが俺にやらせたんだ…俺は刑務所行きだ…」
目撃者の男性によれば「彼は何か誘拐事件とか刑務所の脱獄なんかに関与したのかと思った。でも、彼は私達に助けを求めるわけでもなく、狼狽えるばかりだった」とのこと。
更に、現場周辺の道路上をフラフラ歩くデビンの姿も、目撃されている。
偶然、キャンピングカーで通りかかったカップルは、停車して「何か困ったことでもあったのか?」と、デビンに話しかけたが…
「グリルに火をつけなきゃならない…」
そうブツブツつぶやいたデビンは、近くに落ちていた石を拾い上げると、手に持っていた20ドル札に何度も叩きつけた。
それはとても奇妙で不気味な姿だったと言う。
そして、デビンは拾った石をキャンピングカーに向かって投げつけたので、2人の目撃者は、その場から立ち去った。
デビンの目撃情報は、これが最後となり、その後の足取りは誰も知らない…
違法行為に関わっていたのか?
全く悪い噂のなかったデビン・ウィリアムズは、隠れて何か違法行為に関わっていたのではないか?
目撃者の証言から疑いを強めた警察は、乗り捨てられていたデビンのトラック内を徹底的に調査。
しかし、内部はキレイに片付けられていて、何か事件につながるような証拠は一切発見されなかった。
警察による大規模な捜索にも関わらず、デビンの行方は知れず、やがて捜査は打ち切られた。
家族思いで仕事熱心で犯罪歴も精神科への通院歴もなかったデビンが、なぜ一般の人達を巻き込む危険運転を犯し姿を消したのか?
運送会社の上司によれば、カリフォルニアへ出発する前にも特に異変は感じられず、おかしな行動もなかったとのこと。
ただ、失踪する数日前に、デビンは上司に「不眠の悩み」を相談していたと言う。
その不眠の原因が何なのか定かではないが、事件の真相を巡って様々な推理や噂が語られている…