オリンピック黒歴史「双子アスリート替え玉事件」世界を騙した陸上姉妹

一卵性双生児の双子アスリート

実は、マデリンは一卵性双生児で、そっくりな外見をした双子の妹マーガレットがいた。

オリンピックの双子アスリート替え玉事件

マーガレットも同じく陸上選手で、オリンピック代表の座は逃していたものの、優れた短距離選手。そして、ちょうど観客としてロサンゼルに来ている。

「マーガレットに予選のリレーを代わりに走ってもらって、その間に自分は治療に専念。決勝レースで再び入れ替わろう…」

当然、このような替え玉がオリンピックで許されるわけはない。しかし、これがチームプエルトリコのためだと自分に言い聞かせ、マデリンは替え玉計画を実行に移した。

マデリンは計画を妹に打ち明け、選手村やトレーニング施設、スタジアムに入るためのパスを渡し、本番の数日前から入れ替わった。

8月11日、この日行われた4×400mリレーのプエルトリコ女子チームの第2走者で、マデリンに成りすましたマーガレットが本当に走ってしまった。

オリンピック関係者はもちろん、コーチもチームメイトも、誰も姉妹が入れ替わっているなんて気付いていない。

そして、プエルトリコチームは8位に入り、決勝に進出するには十分な記録を出した。

双子のアスリート姉妹は、まんまと世界を騙したのだ。

しかし、この姉妹の替え玉に唯一気づいた人物がいた…