スポーツの祭典オリンピック…
努力とトレーニングを重ねた、一流アスリートたちの熱い戦いは、世界中の人たちに感動を届けてくれる!!!
「でもね…オリンピックに出場する選手の一部は、絶対にドーピング使ってるんですよ」
そんなオリンピックの感動に水を差すような事を言っているのは、デンマークの名門コペンハーゲン大学で、栄養学とスポーツ学部長を務めるニコライ・ノルドスボルグ教授。
一流アスリートがどんなドーピングをコッソリ使っているのか聞かせてもらおうじゃないか!!!!
根強い人気のドーピング「ステロイド」
「より多くのテストステロン(男性ホルモンの一種)を求めるアスリートの間では、ステロイドが人気です。テストステロンが筋肉を大きくしてパフォーマンスを向上させるのは事実ですからね」
陸上のスプリンターや砲丸投げのような競技が、ステロイドの恩恵を受けやすいそうです。
実際に、2012年のロンドン五輪に短距離走のアメリカ代表で出場して、銀メダルを獲得したタイソン・ゲイは、2013年にステロイドを使用していたことが発覚。ロンドン五輪の銀メダルを剥奪されています。
同じくアメリカの女子中距離選手シェルビー・フーリハンは、2020年12月にドーピング検査でステロイドの使用が発覚。
本人は「検査の直前に食べたブリトーにステロイドが残留していたことが原因だ」と反論したけれど認められず、4年間の資格停止処分。東京オリンピックにも出場することは出来ませんでした。
持久力をアップさせるドーピング「エリスロポエチン」
「大きな筋肉を必要としない長距離ランナーやサイクリストは、持久力をアップさせるためのドーピングを選ぶならエリスロポエチンです。身体に酸素を運ぶ赤血球の形成を促進するので、ランナーやサイクリストは、より激しく動くことが出来るのです」
2014年に行われた冬季ソチオリンピックに、バイアスロンのロシア代表として出場、または予定していたアレクサンダー・ロギノフ、イリーナ・スタリーク、エカテリーナ・イオリエヴァは、いずれもエリスロポエチンの使用が発覚。
長距離スキーと射撃を行うバイアスロンでメダルを狙うため、エリスロポエチンで持久力アップを狙ったけれど、結果的に不名誉な記録だけが残ってしまいました…
集中力アップのためのドーピング「β遮断薬」
「アーチェリーや射撃、ゴルフなど、高い集中力が求められる競技では、血圧と心拍数を下げ、手の震えを抑制して神経を和らげる、β遮断薬という薬が禁止されています」
2008年の北京オリンピックに射撃の韓国代表として出場し、銀と銅のメダルを獲得したキム・ジョンスは、β遮断薬(高血圧や狭心症などの処方薬)の使用が発覚してメダル剥奪されています。