ダイエットは意志の弱い人にはつらいもの…
食べたいものを我慢して、動きたくないのに運動して、それでも結果が出ずに心の折れてしまった人も少なくないはず。
今、欧米では「楽して速攻で痩せたい!!」と考えてる女性たちの間で、あるダイエット方法が脚光を浴びています。
それが「眠れる森の美女ダイエット」。
なんだか聞こえは良いですが、実は、このダイエット方法はとても危険な減量法だったんです…
睡眠薬飲んで寝るだけで痩せる「眠れる森の美女ダイエット」
1966年にアメリカで出版された小説の中には、睡眠薬で眠り続けてダイエットする主婦が登場しています。
この、薬を飲んで眠り続けることで食事を制限して体重を減らす方法は「スリーピング・ビューティー/眠れる森の美女」ダイエットと呼ばれ、欧米では古くから知られる減量方法。
70年代には、肥満に悩まされたエルビス・プレスリーが、ステージ衣装を着るために睡眠薬を飲んでダイエットしたという都市伝説が語られているほど。
そんな眠れる森の美女ダイエットが、最近、再び脚光を浴びているそうです。
特に、ダイエット関連のブログや掲示板などで「効果的な減量方法」という触れ込みで紹介されることも増えているそうで、実際に試した人たちが、その体験談を書き込んでいます。
「1日の睡眠時間を10時間延長して、14日間断食すれば完璧よ」
「私は、とても強い鎮痛剤を服用して、何時間も深い昼寝をしています。胃の働きを抑制して空腹感を感じることがないので、私はいつもやってます」
「寝てるだけで食事しなくていいんだから最高。私はいつも疲れ気味だから、寝てる時は快適なの」
ダイエットで一番つらい食事制限を乗り越えるため、薬の力で強制的に眠り続け、その間に体重が減っていくと言うのが「眠れる森の美女ダイエット」の方法論です。
早い話が、ライザップみたいに糖質制限しつつ、身体を動かして体重を落としていく健康液な痩せ方とは正反対の、睡眠薬と二人三脚なダウナー系ダイエット。
この眠れる森の美女ダイエットを支持する人に言わせれば「摂取カロリーを抑えることが出来る上に、睡眠中は身体の代謝が良くなるから、みるみる痩せていくのよ!!!」とのことですが、甘い話には落とし穴があるもの。
「眠れる森の美女ダイエットは大きなリスクがある!!」と、専門家が危険性を指摘しています…
睡眠薬依存症、うつ病、摂食障害のリスク上昇!?
よほどの疲労などがなければ、健康な人が毎日20時間以上も眠り続けることは出来ません。
そのため「眠れる森の美女ダイエット」は、睡眠薬、鎮静剤などを服用することが前提です。
本来は眠る必要がないのに、薬で脳に命令して強制的に眠りへ落としてしまような習慣が続けば、薬のオーバードーズ(過剰摂取)に陥ったり依存症になってしまう可能性は、とても高くなります。
オーストラリアのフリンダース大学心理学部のトレイシー・ウェード博士も、眠れる森の美女ダイエットの危険性を指摘しています。
「人が睡眠薬に頼って必要以上に眠り続けると、より強い睡眠効果を求めるようになり、薬の量が増えていきます」
ただ体重を落としたかっただけなのに、気がつけば薬物依存になってしまうとは、恐ろしい限りです。
それだけではありません。
長時間の睡眠習慣は、社会生活やメンタルにも影響を与えるそうです。
実際、頻繁に何時間も眠り続ける生活を送っていては、何かをするための時間も社会との接点も減ってしまい、周りからの評価を下げたり、孤立してしまう可能性もあるんだとか。
そして次第に孤独になり、うつ病になってしまう可能性も高まってくるそうです。
そして、それだけのリスクを負っても眠れる森の美女ダイエットが必ずしも成功するわけではないそうなんです…
失敗するケースも多いのでマネしちゃダメ!!
「うつ病は乱れた食生活を引き起こします。結果的に、眠れる森の美女ダイエットは、摂食障害の悪循環に引きずり込みかねません」
ウェード博士によれば、眠れる森の美女ダイエットは手軽だし、すでにうつ病や摂食障害の人にとっては魅力的に聞こえるけれど、その結果は必ずしも理想通りにはならないそうです。
「眠れる森の美女ダイエットは、目覚めた時に身体が通常よりも多くの食べ物を欲するので、結局は大食いしてしまい、残念な結果になることも多いんですよ」