ロシアのソチで、まるで映画のような事件が起きました。
この事件に登場するのは、とある資産家ファミリー。父親はソチで有名な進学校の経営者で、妻、22歳の息子、10歳の娘と4人で大きな屋敷に暮らしていました。
誰もが羨むような恵まれた家庭に見えたのですが、いつの頃からか22歳の息子は心に狂気を宿していたのです…
映画みたいな実話「息子の家族殺害計画」
何不自由なく育てられた息子ですが、両親が自分の使うお金をコントロールしていることに不満をつのらせていました。
やがて、その不満は両親への殺意へと変わっていきます。
「両親と妹をバレないように殺して、自分が遺産を相続すれば…」
息子は、ネット上に転がっている情報を収集して、一家の殺害計画を練り数カ月後に実行へ移します。
まずはヤカンの中に薬物を入れ、そのお湯でお茶を飲んだ両親を毒殺しようと試みます。
…が、父親が異変に気づいて失敗。
次に、両親の乗る車についている温度計を壊し、蒸発した水銀によって殺害を計画。
…しかし、この計画も失敗。
「それならプロに頼もう…」
息子は確実に遺産を手に入れるため、両親の殺害をヒットマンへ依頼したのです…
警察にハメられた息子
多額の報酬と引き換えに、息子は両親の殺害をヒットマンに依頼。
しかし彼にとって大きな誤算だったのは、ヒットマンとして雇ったはずの男が、実は警察の覆面捜査官だったこと。
実は、息子がヒットマンにコンタクトをとるよりも前に、警察は息子の両親殺害計画に感づいていたのです。
ここ最近、一家の周辺でおかしな事件が立て続けに起こっていたので警察が捜査したところ、息子の書いた両親殺害プランのメモ書きを発見。
そこには、自宅の中で監視カメラに写り込まない場所や、番犬と遭遇しないエリアなど、具体的な殺害プランの筋書きが出来上がっていたので、警察は息子の動きをマークしていたのです。
ただ、メモ書きを発見しただけでは逮捕することが難しい。そこで、警察は息子の計画に乗っかることに。
依頼通りにヒットマンが両親を殺害したように見せかけるため、血糊やメイクで犯行現場を偽装。
その後、ヒットマン役の警察官は依頼人の息子と接触して、偽の証拠写真を見せたのです。
すると息子は大喜びして、日本円で約550万円もの報酬をキャッシュで手渡した。
警察が狙っていたのは、この瞬間だったのです。
息子は両親への殺意を立証する動かぬ証拠を押さえられ、武装警察が拘束、逮捕。その後…
有罪なら懲役15年
警察の取り調べで、息子はすぐに自供。
「数ヶ月の間、両親を殺す計画を練っていた。俺のことなんて、何も理解してくれないからね。だから殺し屋に連絡したんだ」
もし、この両親の殺害計画が裁判で有罪となれば、息子には懲役15年が言い渡される可能性も…