容疑者は被害者の息子
事件の容疑者として警察が疑いの目を向けたのは、息子のティムだった。
テリーの死亡時に支払われる1万ドルの保険金の受取人がティムだったことに加え、彼の供述には妙な違和感があったと言う。
「結婚式が終わった後に、みんなでギャンブルを楽しんでいたけれど、夜になって母が車で帰宅すると言い出した。俺は駐車場まで送り届け、その後はカジノに戻って一人でギャンブルをやっていた」
このようにティムは供述したが、彼のアリバイを裏付けることが出来る人は誰もいなかった。
そこで、新婚の妻とティムはポリグラフテスト(嘘発見器)にかけられたのだが、両者から偽証を示す反応が確認された。
二人は何か嘘をついている可能性が高い…
最も動揺が見て取れたのは、ティムが母親の使用しているクレジットカードの会社に問い合わせて、利用停止を申請していたことについて聞かれた時だった。
「カード会社に連絡したのは母が亡くなって3日後のことだ。カード会社の社員が日付を間違って書き込んだんだよ」
実際にはティムが連絡を入れたのはテリーが失踪する直前。これは明らかな偽証だったのだが…