うんざりするほど恐ろしい「海外で話題になった怖い話シリーズ」。
今回は、とあるカルト宗教団体に関する怖い話…
怖い話 其ノ四十三「神との接触実験」
1970年代初頭のことだった…
アメリカで、あるキリスト教系カルト団体に所属する科学者、宗教学者達が、教団施設内で秘密裏に実験を行った。
それは「あらゆる感覚を絶たれた人間は、神の存在を感じることが出来る」という仮説に基づき、外科手術によって人間の五感を意図的に遮断して経過を観察するという、常軌を逸した人体実験だった。
教団に所属する狂信的な科学者、宗教学者は「人間の五感は神に近づくことを妨げている」と本気で考えていたからだ。
「私の人生には、もう何も残されていません。ですから、教団のお役に立てるなら、この体を好きに使ってください」
実験のボランティアに信者の老人が名乗りを上げた…
「あなたは自分の声すらも聞こえなくなりますが、声を出すことは出来ます。ですから、頭に浮かんだことや思ったことや感じたことは、全て言葉に出してください。私たちと神が、あなたの直ぐ側でいつも見守っています」
老人は脳外科手術を受けた結果、肉体的には健康だったが、視覚、嗅覚、聴覚、味覚、触覚の全てを失った…