孤独な老人はゾディアックなのか?
確かに、他人の戸籍を不正に入手して成りすますのも重大な犯罪だが、自殺から17年が経った現在で、警察はロバート・ニコルズに関する捜査を打ち切っていない。
そこには、ある噂が囁かれている…
「ロバート・ニコルズはゾディアック事件の真犯人だったんじゃないか?」
「ゾディアック事件」とは、今から50年ほど前、1968年から1974年にかけて、アメリカのサンフランシスコ周辺で同一犯によって5人が殺害された事件。
犯人は「ゾディアック」と名乗り、警察や新聞社に犯行声明や暗号文を送りつけ、世間を震撼させた。
その後、犯行はプツっと途絶えてしまい、ゾディアックは逮捕れず事件は未解決のままとなっている。
ロバート・ニコルズとゾディアックの時系列を確認しよう。
1964年にロバート・ニコルズが家族の前から失踪…
1968〜1974年に殺人鬼ゾディアックが暗躍…
1978年からロバート・ニコルズはジョセフ・ニュートン・チャンドラーに成りすます…
ちょうどゾディアック事件と前後して、ロバート・ニコルズは家族の前から姿を消し、そして別人に成りすましているのは明らか。
ゾディアックの瓜二つ…
それだけではない。
この「ゾディアック=ロバート・ニコルズ説」が根強い一番の理由がコチラ…
左が、ゾディアックの目撃証言を元に作成された似顔絵。
右が、自殺したロバート・ニコルズ。
あまりにも似ていると思わはないか?
年齢に差があったとしても、輪郭からシワの特徴、メガネのフレームの形まで、共通する点が非常に多い。
さらに、ゾディアック事件で被害者が殺害された現場からは、アメリカ軍に所属した兵士に支給されるブーツと同じ型の足跡が発見されている。
ロバート・ニコルズは元アメリカ海軍所属だったので、同じ型のブーツを所持していた可能性は高い。
極めつけは、ロバート・ニコルズの捜査にあたっていた警察官が会見を開いた時のこと。
ゾディアックとの関連について尋ねられた警察は、次のようにコメントした。
「ロバート・ニコルズはゾディアック事件の容疑者から完全に除外されたわけではない」
生前のロバート・ニコルズには経歴もなく「風変わりな人物だが親切だった」と、知人の中には養護する声もあるが…
果たして、年老いた老人の自殺と未解決事件を結ぶ不気味な伏線は、この先回収されるのだろうか?