2011年に公開された韓国映画「カエル少年失踪殺人事件」は、実際に韓国国内で発生した、5人の少年の失踪事件を題材にした作品。
主人公のテレビディレクターが未解決事件の真相に踏み込んでいくサスペンス映画で、派手さはないが重厚な人間ドラマは何かと考えさせられる作りとなっている。
韓国の有名な未解決事件「カエル少年失踪殺人事件」
1991年3月26日、韓国南部の大邱に住んでいた5人の小学生が「カエルを捕まえる」ために近所の山に遊びに出かけ、そのまま姿を消してしまった。
家に戻らない子供を心配した親たちが必死に探したが、少年たちは見つからず、警察や軍隊が延べ30万人も動員され、大掛かりな捜索が行われた。
ところが、遺留品などの手がかりすらも掴めず、事件の捜査は暗礁に乗り上げてしまう。
事件の発生から11年が経った2002年9月26日。
大型の台風が過ぎ去った後に、大邱市の山中から5体の白骨遺体が発見され、残されていた衣服から、1991年に失踪した少年たちだと断定された。
その後の検死によって、遺骨に残っていた傷跡から、少年たちは何者かによって殺害されていたことが明らかとなった。
しかし、そこから捜査に進展はなく、カエル少年事件は2006年3月26日に未解決のまま時効を迎えてしまった…
この実際に起きた事件を元に映像化されたのが、映画「カエル少年失踪殺人事件」だ。
映画「カエル少年失踪殺人事件」あらすじ
韓国のテレビ局MBSで番組の演出を手がけるカン・ジスン(パク・ヨンウ)は、高視聴率をとって出世に意欲を燃やす野心家のテレビマン。
しかし1996年、自信が演出を手がけたドキュメンタリー番組でのヤラセが発覚して、大邱市にある地方局へ左遷されてしまう。
再び、注目を浴びる番組を手がけて出世コースへ返り咲くことを目指すジスンは、4年ほど前に大邱市で発生したカエル少年事件に目をつける。
捜査に進展のない少年たちの失踪事件に一石を投じるため「少年たちの両親の中に犯人とつながっている人物がいる…」と主張する大学の心理学教授と手を組み、独自に調査を開始するのだが…
映画「カエル少年失踪殺人事件」見所
犯人が逮捕されていない未解決事件を題材にしているので、全ての謎がとけてスカッとする映画ではない。
むしろ、事件の真相に近付こうとするテレビマンと被害者遺族の対立は、事件の行く末を知っているからこそ、視聴者に重くのしかかってくる。
精神的にヘビーな内容の作品だが、サスペンス、ヒューマンドラマ非常に興味深い作品に仕上がっている。
Amazon PRIMEでも見ることが出来るので、犯罪映画がお好きなら是非。