輝かしい成績を残したアスリートが、選手を引退した後のセカンドキャリアで失敗して、犯罪者に身を落としてしまうケースは意外と多い。
かつて韓国のプロ野球界で活躍した元人気選手も、引退後に実業家へ転身。しかし失敗続きで多額の謝金を背負い、挙句の果てに恐ろしい事件を引き起こし、この世を去っていった…
韓国の人気プロ野球選手イ・ホソン
1967年生まれのイ・ホソンは、高校、大学野球で活躍した後に、1990年にヘテタイガース(現:起亜タイガース)へ入団してプロ野球生活をスタート。
強打者として活躍して、ゴールデングラブ賞を2回獲得。韓国プロ野球選手協議会会長も務めた後に、2001年引退。
コーチ就任のオファーも全て断り、実業家へ転身して第二の人生を歩み始めた。
度重なる事業の失敗で多額の借金
プロ野球選手を引退後、すぐにイ・ホソンは結婚式場「ホソン・ウエディングプラザ」を開業するも2年ほどで廃業。
失敗を取り返そうと10億ウォンもの融資を受けてギャンブル事業に参入を試みるも、市民団体の反発を受けて計画が頓挫。投資家からは詐欺で訴訟を起こされ、多額の借金を背負うことになった。
2005年には不動産投資に絡んだ詐欺容疑で逮捕。2ヶ月後に保釈されたものの、借金を返す当てもなく、妻と子供の前から姿を消した。
こうして人生を転落していったイ・ホソンは、とんでもない事件を起こす…
イ・ホソンと交際中の女性と娘3人が謎の失踪
2008年2月18日…寿司屋を経営する45歳の女性キム・ヨンソクと3人の娘が忽然と姿を消した。
連絡が取れなくなったことを不審に思った親族が3月3日に捜索願を提出。
警察が捜査を始めると、意外な事実が発覚した。
失踪したキム・ヨンソクは元プロ野球選手イ・ホソンと2006年頃から交際中で内縁関係にあったのだ。
キム・ヨンソクと娘たちが暮らしていたマンションの防犯カメラ映像を確認すると、一家が音信不通となる2月18日の夜に、不審な男の姿が残されていた。
帽子を被った男はマンションから大きな荷物を何度も運び出していて、30分の間に4回も往復。
ただ、防犯カメラ映像が不鮮明だったため、この男が誰だったのかは特定に至らず。
また失踪直前の2月15日にキム・ヨンソクが銀行から1億7000万ウォン(約1800万円)の預金を引き出していたことも発覚。
警察はイ・ホソンがキム・ヨンソクと3人の娘の失踪事件に関わっていると断定。3月10日に指名手配して広く情報提供を呼びかけた。
ところが、事件は思わぬ展開を迎える。
指名手配を公表したその日のうちにイ・ホソンが水死体で発見されたのだ…