1985年にアメリカ人のリンダ・シャーマン27歳が忽然と姿を消した失踪事件は、30年以上が経過した今も、未解決事件となっている。
あまりにも不自然な要素が多い失踪事件だが、その概要を知れば、誰もが「コイツが犯人に間違いない」と確信するだろう。
しかし、犯人は逮捕されていない…
若い夫婦の破綻した結婚生活
27歳のリンダ・シャーマンは、1歳年上の夫ドン、9歳の娘パティとアメリカのミズーリ州ビニータ・パークで暮らしていた。
娘を妊娠したことがきっかけで、リンダは高校在学中にドンと結婚、出産して、子育てと仕事に励んだ。
しかし、一家の暮らしは決して幸せではなかった。
ドンは非常に嫉妬深い性格で束縛が激しく、リンダに暴力を振るうこともあったので、夫婦の間では常に喧嘩が絶えなかった。
リンダは何度も娘のパティを連れて家を出て、ドンに離婚を迫ったが、いつも最終的にはドンの説得に折れて、元の鞘に戻った。
しかし1985年4月11日、リンダは離婚の意思を固めた事を自分の両親や兄弟へ報告。
離婚届が正式に受理されたタイミングで、ドンとの同居も終了させる計画を立てていた。
幼い娘が感じた違和感
家族に離婚の意志を報告した翌日の4月22日…
朝、9歳の娘パティが目をさますと、夜勤の仕事を終えて帰宅したリンダはまだソファーに横になっていた。
いつもなら、自分を起こして車で学校まで送ってくれる母が全く起きないことに、パティは違和感を覚えた。
「私が家を出るときも背中を向けたままソファーへ横になっていて、いってらっしゃいのキスもなかったの…」
この日はドンが車で学校まで送っていったが、それは異例のことだった。
ドンの供述によれば、その日、彼は午後6時頃に帰宅したが、その時点でもまだリンダはソファーに寝ていたそうで、起こすと慌てて夜勤の仕事へ出かけていったと言う。
しかし、その日リンダは職場に出勤することはなかった。
それどころか、その日を最後にリンダは世間から姿を消してしまったのだ…