怖い話No.6「地下室の犬」

「絶対に地下室に入ってはいけません」
ママは、いつも私にこう言うの。
だけど私は、どうしても地下室から聞こえる音が何なのか知りたかったのね。
子犬の鳴き声みたいだったから、どんなワンちゃんなのか興味があったの。
ある日、私はママに内緒で地下室へ降りてドアを開けたんだけど、そこには子犬なんていなかったの。
私が地下室に入ったことに気付いたママは、慌てて私を連れ出して叫んだわ。
「何を見たの!?」
これまでママに怒られたことなんて無かったから、怖くて泣いちゃった。
私は、二度と地下室には入らないと約束して、ママからクッキーをもらったの。
だから、地下室で子犬のような声を出していた男の子のことを聞くのはやめたよ。
何で手や足が無いのか気になったけれどね。
怖い話No.7「弟のチャーリー」

弟のチャーリーが、病院に戻ってしまうのは嫌だ。
お父さんと、お母さんは、チャーリーの病気について何度も説明してくれた。
チャーリーには、あまり薬が効かないらしい。
「チャーリーと一緒じゃないと、何をやっても退屈なんだ」と文句を言うと「チャーリーはもっとつらいんだよ」と言われた。
病院の暗い部屋に閉じ込められてるチャーリーを想像すると、嫌な気持ちになる。
僕はいつも「チャーリーに最後のチャンスをあげて」と頼んだ。
でも…
チャーリーが帰ってくると、いつも何かが起こるんだ。
オモチャの金庫の中には、目玉のえぐり取られた近所の家の猫が入っていたり、通りの向こうにある公園のすべり台にパパのカミソリが落ちていたり、ママのビタミン剤とお菓子の乾燥剤が入れ替わっていたり…
チャーリーがいなくなるのは本当に嫌だ。
チャーリーが帰ってくるまで、また僕は普通にしていなきゃならないから…