怖い話 No.21「盲目の男」
第2次世界大戦直後、ドイツのベルリンでは物資の供給不足で多くの人が空腹に苦しんでいた。
これは、当時の人々が噂していた話。
ある女性が、人混みの中で杖をついて歩く盲目の男に声をかけた。
「何か私に手伝えることはありませんか?」
「では…メモに書いてある住所へ封筒を届けてくれませんか?」
盲目の男が指定した住所は彼女の帰宅途中だったので、快く引き受けることにした。
女性が封筒をバッグの中へしまい、他にも何か頼みごとはないか聞こうと顔をあげると、そこに男の姿はなかった。
あたりを見回すと、さっきまで持っていた杖を使わず、足早に人混みの中を通り過ぎていく男の後ろ姿が…
彼女は封筒を届けずに警察へ向かい、男から教えられた住所のことを伝えた。
すぐに警察が住所の建物に踏み込むと、そこには新鮮な肉が大量に保管され、作業をしていた人達は一斉に逃げ出した。
男が女性に届けるよう頼んだ封筒の中には、こんなメモが入れられていた。
「これが本日の最終出荷だ」
怖い話 No.22「オモチャの赤ちゃん」
かつて、アメリカのイリノイ州にある会社がリアルに作られた赤ちゃんのオモチャを販売した。
このオモチャは本物の赤ちゃんのように泣き出し、あやすと泣き止むようになっていた。
しかし、鳴き声を止めるのが難しく、多くの購入者を困らせた。
強制的に鳴き声を止めるには、強く叩かなければならず、次第に叩いても泣きやまなくなると、購入者の多くは床に叩きつけて壊してしまった。
泣き止まない赤ちゃんの声と、何かを叩きつける音を聞いた隣人が、警察に児童虐待で通報するケースも頻繁に発生。
そして発売から半年もせずに、オモチャを販売中止に追い込む事件が起きた。
ある日、オモチャの赤ちゃんを購入した母親が児童虐待で通報された。
現場に警官が到着すると、その家の床には血溜まりが出来ていて、うつろな目をした母親の腕の中では、オモチャの赤ちゃんが笑っていた。
怖い話 No.23「グリフター」
その映像は、多くの人にトラウマを植え付けた。
タイトルは「グリフター」。
見た人を不快な気分にさせるため、悪意を込めて編集された動画によって、吐き気をもよおしたり、悪夢を見たり、自殺衝動にかられる人も少なくない。
ただし、「グリフター」の噂がネット上で広まるにつれて、フェイク映像も多く出回ったためで、今では、どれがオリジナルの「グリフター」なのかは定かでない。
でも、一つ君へのアドバイスを送るなら「グリフター」のタイトルが付けられた動画を、迂闊に再生しないことだ。