怖い話No.18「母の声」
少女が自分の部屋でくつろいでいると、下の階のキッチンから母親の呼ぶ声が聞こえた。
少女は階段を降りてキッチンへ向かう。
すると、階段の下にある戸棚が開き、少女は中から出てきた手につかまれ口を塞がれて中に引きずり込まれた。
何事かと少女は慌てたが、戸棚の中にいたのは母親だった。
しかし、どうも様子がおかしい。
母親は、少女の耳元で囁いた。
「キッチンに行ってはダメ。さっき呼んだのは私じゃないの」
怖い話No.19「中古のカメラ」
小包を開ける僕の手は、嬉しさで震えていた。
中に入っていたのは、オークションサイトで落札した中古のデジタル一眼レフカメラ。
新品では手が出なかったけど、ebayで驚くほど安い値段で落札できたから、手元に届くのが待ちきれなかったんだ。
早速、電源を入れてみると、本体にはメモリーカードが入ったままだった。
前の持ち主が入れっぱなしにして、忘れたのだろう。
もちろんメモリーカードは送り返すつもりだったけど、どんな写真が入っているのか気になって、悪いとは思いつつも覗いてみることにした。
最初にディスプレイへ表示されたのは、宅配便の発送伝票だった。
全く知らない男性の名前と住所が書き込まれていた。
次の写真は………お腹に包丁が突き刺さった血まみれの男性…
発送伝票…
真っ赤な浴槽の中で白目をむく女性…
発送伝票…
全身真っ黒に焦げで性別も年齢もわからない…
最後の写真は、ついさっき届いたばかりの小包に貼り付いていた、僕の自宅住所が書かれた発送伝票。
そして今、誰かがうちのインターフォンを鳴らした…