【洒落怖】海外の「怖い話」厳選まとめ…最強レベルの短編怪談40話

怖い話No.20「中古のカメラ」

camera

小包を開ける僕の手は、嬉しさで震えていた。

中に入っていたのは、オークションサイトで落札した中古のデジタル一眼レフカメラ。

新品では手が出なかったけど、ebayで驚くほど安い値段で落札できたから、手元に届くのが待ちきれなかったんだ。

早速、電源を入れてみると、本体にはメモリーカードが入ったままだった。

前の持ち主が入れっぱなしにして、忘れたのだろう。

もちろんメモリーカードは送り返すつもりだったけど、どんな写真が入っているのか気になって、悪いとは思いつつも覗いてみることにした。

最初にディスプレイへ表示されたのは、宅配便の発送伝票だった。

全く知らない男性の名前と住所が書き込まれていた。

次の写真は………お腹に包丁が突き刺さった血まみれの男性…

発送伝票…

真っ赤な浴槽の中で白目をむく女性…

発送伝票…

全身真っ黒に焦げで性別も年齢もわからない…

最後の写真は、ついさっき届いたばかりの小包に貼り付いていた、僕の自宅住所が書かれた発送伝票。

そして今、誰かがうちのインターフォンを鳴らした…

怖い話No.21「水恐怖症」

water

物心ついた頃から、僕は水に潜るのが怖かった。

だから僕は泳げないし、友達から誘われても、水遊びには絶対に参加しませんでした。

父が言うには、僕は小さな頃に溺れて死にかけた事があったそうですけど、よく覚えていません。

ただ、我慢して水中に潜って水面を見上げると、僕にはいつも同じ女性の姿が見えるのです。

ブロンドの髪と青い目をした女性が、私を見て微笑みかけるのでした。

例えば、お風呂のお湯の中に潜った時でも、僕の目の前には、この女性が必ず現れます。

水の中は怖いけど、何だか無性に、その女性に逢いたくてお風呂に潜ることもありました。

彼女を見ると、穏やかな気持ちになれたんです。

誰にも言っていませんでしたが、もしかしたら、あの女性が自分の母親じゃないかと小さい頃から考えていました。

母は、僕が小さい頃に他界したため顔も覚えていないし、父も話したがらないし、写真でさえも見たことがありません。

ですが、つい最近、今まで父に黙っていた水中で見る女性について、初めて打ち明けました。

ブロンドヘアーや青い目など説明すると、父は明らかに動揺しているようでした。

父は多くを語りませんでしたが、僕が小さい頃に亡くなった母もブロンドの髪に青い目をしていて、僕のことをとても愛していたと教えてくれました。

その日から、僕の中で母に対する好奇心が膨らんでいったんです。

そこで、父に内緒で母について調べてみることにしました。

出生証明書から母の名前を見つけ出し、図書館で新聞を検索すれば、何か記事が出て来るのではと考えたんです。

そして今日、僕は母について書かれた新聞記事を発見してしまいました…

昨晩、28歳のマリー・ホワイトは施設を抜け出し、フェンスを乗り越えて侵入した貯水池で溺死しました。

葬儀は25日に家族によって行われる予定。

マリーは我が子を殺害しようとした罪に問われた裁判で、精神鑑定の結果、無罪となったが、6ヶ月前に施設へ強制収容された。

妻が風呂場で幼い息子を溺死させようとしていたところ、夫のダニエル・ホワイトが救出し、息子は一命をとりとめた。